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エコ家事入門
肌のひどい乾燥というトラブルに見舞われたとき、出会ったのが手作り石けん。使ってみたら3日でお肌が回復し、虜となってしまったという小幡有樹子さん。以来、10年近く、手作り石けんはもちろん、自然化粧品づくりもなさっている小幡さんに、手作りの良さや魅力を語っていただきました。
―手作り石けんを始めたきっかけは?―
1996年の2月に夫と一緒にボストンに移り住んで間もなく、新生活によるストレス、厳しい寒さや室内の極端に暑い暖房、肌に合わないアメリカの石けんなど、いろいろな理由が重なり、肌のひどい乾燥に悩まされるようになりました。体中の皮膚が粉をふいたようにガサガサになり、少しでも体を動かすとピリピリと痛痒く、夜も眠れないほど。市販の保湿剤も敏感肌用の石けんも効果がなく、どうしたらいいかと模索していたとき、ボストンの市営カルチャースクールのカタログにあった「手作り石けん」の講座を発見。その瞬間「買ってだめなら作ればいいんだ!」と思ったのです。講座を実際に受けてみると、油から石けんができるプロセスや、好きな香りや色を付けられる手作りの楽しさに引きつけられました。実際に手作りの石けんを使うようになると、ひどかった肌が3日でつるつるに。以来10年近くなりますが、ずっと自作の手作り石けんを愛用しています。
―市販の石けんと手作り石けんとの違いは?―
油をアルカリと反応させて石けんを作ると、保湿成分である天然のグリセリンが副産物としてできあがります。手作り石けんにはこのグリセリンがそのままとけ込んでいるので肌に優しく、しっとりした洗い心地が得られます(市販の石けんは、グリセリンを保湿剤や潤滑剤などとして販売するため取り除いてしまうのです)。そして、無添加であること。最近の市販の石けんも無添加のものが多くなってきましたが、私が石けん作りを始めたころは、市販の石けんには香料などの添加物を使用しているものが一般的だったように思います。
―自然の材料を使った手作り石けんの良いところは?―
ひとつは原材料を自分で選べること。肌に合う材料や好みに合う材料を選べるのももちろんですが、自分に合わないものは入れないという選択もできるのが大きな利点。また、手作り石けんひとつで顔や体、髪まで洗うことができるので、バスルームがすっきりするのもいいところだと思います。
―それで手作り石けんにこだわっているのですね―
それだけではありません。石けん作りをきっかけに、自然の尊さから人の優しさまで、いろいろな体験ができるのです。石けんが何からできていて、どうやって作るのかを知るにつれ、石けんに対してとても大きな愛情が湧いてくる。さらに、石けんを泡立てる時の水、材料である油脂や精油など、石けんに関わるすべてのものに目が向くようになりました。
ココアで色付けしたチョコレート風石けん
そして、油脂や精油が採れる植物やその自然環境、手作り石けんを使ってくれる人たち、石けんの泡が流れていく川や海など、愛情や感謝の対象がどんどん広がっていきました。大げさかもしれませんが、石けん作りをはじめたことで、地球にあるあらゆるものが、とても大切で特別なものに思えてきたのです。
―石けんを作るときにこだわるところは?―
石けん本来の役割である「洗う」ということをしっかり考えたレシピ作りです。作るのが楽しくてついあれこれ肌によさそうな材料を入れたくなりますが、やりすぎてしまうと焦点がぼけて逆につまらないものになってしまいます。メインの材料である油脂をバランスよく配合し、清潔感のある香りを少しつけるだけで十分。シンプルで目的がはっきり伝わるものを作ることが大切だと思っています。
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