噛むかむクッキング
噛むかむクッキングでは「噛む」回数を増やす食材や調理の工夫などをシリーズでお伝えしていきます。
2008年01月24日

1回目 噛むことのススメ

噛むかむの基本

私は歯科医になって30年、毎日歯の治療に携わっています。歯科医の仕事というのは、結局「噛む」という人間の機能が正しく働くようにお手伝いすることなのです。
ところが今好まれている食べ物はたくさん噛まなくても食べられる、プリンやハンバーガーなど。さらに飲み物をとりながら食事をする「流し食べ」の人も増えています。これは若い人だけの話ではなく、中高年の人でも生活の中から「噛む」回数がどんどん減ってきています。

「噛む」ことのススメ

「噛む」ことには単に食べ物を細かくするだけではなく、全身を活性化させるためにとても大切な働きがあります。
手始めに、噛むことを意識して食事をしてみてください。
噛むかむクッキングだからといって、いきなり「硬いものを食べてください」というのではありません。
食材の選び方や調理法で噛む回数がずいぶん違うことをみなさんに知っていただきたいのです。

では、食材の選び方でどう噛む回数が変わってくるのか、こちらの表を見てみましょう。

素材の違いで変わる噛む回数 10g当たりのそしゃく回数
パンで比べる噛む回数


同じパンでも食パンとフランスパンでは10gあたり36回の違いがあります。それ程硬くないクロワッサンやベーグルの噛みごたえも意外にあるんですよ。

調理法の違いで変わる噛む回数
お刺身16回 ソテー24回 から揚げ32回


鮭の調理法も刺身とから揚げでは2倍の差がでました。
このように毎日の食事で、「噛む」習慣を取り戻すことは、身近にある食材の選び方と調理法のちょっとした工夫でできます。難しいものでも手間のかかるものでもありません。

テポーレレシピの中から「噛むかむクッキング」にあったレシピをご紹介しましょう。

TEPORE 噛むかむクッキングレシピ

コラム:噛めばかむほど・・・

肥満防止!

学校食事研究会(小中学校の給食発展のため、子どもの嗜好・食行動調査などを実施) がわかりやすい標語を作りました。
卑弥呼(ひみこ)の弥生時代の食事は現代の6倍以上食べ物をしっかり噛んでいたということから「ひみこのはがいーぜ」というものです。

ひみこのはがいーぜ 標語
この標語についてもう少し詳しくお話しましょう。

今回は「肥満を防ぐ」。よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて私達は満腹を感じます。よく噛まずに早食いすると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太るのです。

これについてこんな実験があります。学生に小さいおにぎりを食べてもらいました。早食いしたら、一人平均34個食べたそうです。次は1個につき50回噛んでもらったら23個。じつに11個もの差がでました。ゆっくり噛むことで少ない量でも満腹中枢に信号が届いたというわけです。正月太りが気になっている方、ぜひ実践してみてください。


来週は「味覚について」をお伝えします。
ナビゲーター・田沼敦子 田沼敦子
歯学博士・料理研究家。千葉市「高浜デンタルクリニック」院長。本業のかたわら、身近な食材を使って自然に噛む回数が増える料理「噛むかむクッキング」を提唱。テレビ、雑誌など多方面で活躍。夫は写真家で文化功労者の田沼武能氏。二男の母。著書に「噛むかむクッキング」(グラフ社)、「ホーム・デンティスト」(ちくま新書)など。
田沼敦子公式サイト http://www.tanuma-atsuko.com/