噛むかむクッキング
噛むかむクッキングでは「噛む」回数を増やす食材や調理の工夫などをシリーズでお伝えしていきます。
2008年03月21日

9回目 軟らかメニューのアレンジ

噛むかむの基本
今年の春分の日は3月20日。お彼岸といえば、ぼたもちですね。
もち米を小豆あんでくるんだ、この素朴な和菓子は、春、牡丹(ぼたん)の季節に食べるものを“ぼたもち”、秋の萩(はぎ)の季節に食べるものを“おはぎ”と、同じものですが呼び方が変わります。ぼたもちに使うもち米は、粘りけがあるため、ふつうのご飯より飲み込むまでに噛む回数が多くかかります。また、こしあんよりも粒あんのぼたもちを選べば噛みごたえがアップしますよ。
和菓子は洋菓子と比べると脂肪分が低くカロリーも控えめ、鉄分などの栄養素もとれてヘルシーです。もちもち感と小豆のやさしい甘さを味わいながら、よく噛んで召し上がってくださいね。

レトルト食品の噛みごたえを上げる

忙しいときに重宝するレトルト食品。もともとはアメリカが軍事用として開発したものですが、世界初の一般向けレトルトカレーを発売したのは日本で1968年のことです。
以来40年、おかゆやシチューなどさまざまな商品が出ていますが、残念ながらどれも噛みごたえはあまりありません。
その理由は、作るときに110度~140度で加熱殺菌しているために材料がかなり軟らかくなっている上に、パッケージの箱の厚みに納めるため、小さめに切っているからです。

でも、このレトルト食品もひと手間かければ噛みごたえを上げられます。
カレーを例にとってみましょう。

準備するものはフライパン。
噛みごたえのあるきのこや大きめに切った肉をさっといためてプラスするだけなんです。
レトルト食品を温めている間に、同時に準備すれば時間の節約になりますね。
あとはスティックサラダなどを添えれば、見た目も豪華に、よく噛むカレーに変身しますよ。

レトルトカレーのアレンジ
それでは、TEPOREレシピから、軟らかメニューに噛みごたえのひと工夫をしている料理を紹介しましょう。

TEPORE 噛むかむクッキングレシピ

コラム:噛めばかむほど・・・

表情豊かに

鏡でご自分の顔を見てください。もしかしたら左半分と右半分の形が異なっているかもしれませんよ。これは、食べ物を噛むときの左右の咬筋(こうきん)の使い方が大きく影響していると考えられています。
片方だけで噛む癖がついていると、筋肉にゆがみが生じて、左右のバランスが悪くなってしまいます。食べ物を噛むときに、ふだん噛みなれていない方の奥歯で噛むように意識してみると、左右のバランスを調整するのに役立ちますよ。

ただし、歯並びが悪かったり、歯を抜いたままにしておいたり、噛みあわせに問題がある場合に生じるゆがみに関しては、専門の歯科医に相談するようにしてくださいね。

また、よく噛むとたくさん出るだ液ですが、実は若々しくなる効用があるのです。
それはだ液に含まれるパロチンという若返りホルモンの影響です。細胞の代謝を促進して表皮を活性化させ、老化防止にも効果を発揮すると言われています。

つまり、しっかり噛んで食べることは、若々しくて表情豊かな顔になる近道なのです。


来週は「噛む食育」についてをお伝えします。
ナビゲーター・田沼敦子 田沼敦子
歯学博士・料理研究家。千葉市「高浜デンタルクリニック」院長。本業のかたわら、身近な食材を使って自然に噛む回数が増える料理「噛むかむクッキング」を提唱。テレビ、雑誌など多方面で活躍。夫は写真家で文化功労者の田沼武能氏。二男の母。著書に「噛むかむクッキング」(グラフ社)、「ホーム・デンティスト」(ちくま新書)など。
田沼敦子公式サイト http://www.tanuma-atsuko.com/