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2007/3/1掲載

大人の食学(たべがく)-魚を知る-
大人の食学(たべがく)イメージ写真

「豊かな人間性を育むため」という理由で制定され、注目を集めている食育基本法。2006年12月には、この法律に基づいた初めての「食育白書」も発行されました。健やかな生活を送るために、さまざまな角度から“食”を考えようという方向に世の中は動いています。「食育」というと、これまでは子どもをターゲットにしたものととらえられがちでしたが、より豊かな毎日を過ごすためには、大人たちにこそ充実した食生活が必要です。そこで、TEPORE会員の皆さまの“食”経験をアンケートで披露していただき、食材・料理方法に限らず、栄養面や生産方法など、さまざまな切り口で“食生活”について考えていきたいとテポーレは考えます。豊かな“食”をキーワードに、人生そのものを見つめ直したい。それが、テポーレの考える「大人の食学(たべがく)」です。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。
 食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
魚を知る
今回のテーマは、“魚を知る”。日本人にはとてもなじみ深い食材であり、健康食としてのイメージも強い『魚』。管理栄養士で食卓プロデューサーの荒牧麻子さんに、TEPORE会員の皆さまからのアンケートを分析していただきながら、魚との健康的な付き合い方を考えていきます。「お肉よりも魚のほうがコレステロールに注意しなければいけない場合もある」と荒牧さんはおっしゃっていますよ。

魚イメージ
調査概要
調査方法 インターネットリサーチ
調査期間 2007年2月8日(木)〜2月12日(月)
対象者 TEPORE会員
有効回答者数 13808人(男性8106人女性5702人)
今回の「魚を知る」に関する調査では、2007年2月8日(木)〜2月12日(月)の間に、13,808人の方から回答をいただきました。
コメンテーター 荒牧麻子(あらまきあさこ) 管理栄養士。食卓プロデューサー ホテルオークラヘルスクラブの栄養相談を1973年設立時より担当。NPO法人国際食文化研究所・理事長。その著書に『中高年こそダイエット』(NHK出版)などがある。現在、週刊新潮『私の週間食卓日記』連載中。アール・ド・ヴィーブルの会
http://www.artdevivrenokai.com/
日本人の食生活にとって、ごはんに合う『魚』は、非常に重要な食材です。栄養面から見ても緑黄色野菜に負けず劣らず、オールマイティに近い栄養素を含んでいます。私は、特にたんぱく質とミネラルを摂る食材、というふうに考えるのがよいと思っています。魚の種類によって栄養素が大きく異なるということは、実はあまりありません。ただ、背中の部分に血合いの多い魚には、ビタミンDが多く含まれていますし、白身の魚は脂質が比較的少ないといった特徴はあります。体調に合わせて、魚を選ぶ際に参考にするといいかもしれませんね。
Q1.最も好きな魚(魚介類)は何ですか?
旬の魚を食べるのがいちばんおいしい!という思いはどなたも同じでしょうが、TEPORE会員の皆さまの『最も好きな魚』を聞いてみると、1位はやはり『まぐろ』でした。『かに』『えび』などの甲殻類も上位にランクされています。回答のその他では、圧倒的に『サーモン(鮭)』が多いという結果になりました。

Q1.最も好きな魚(魚介類)は何ですか?
1位  まぐろ 24.9%
2位  かに 9.5%
3位  ぶり 8.2%
4位  えび 8.0%
5位  さば 7.2%
6位  あじ 7.0%
7位  さんま 6.9%
8位  うなぎ 5.5%
9位  たい 5.4%
10位  いか 4.3%
11位  かつお 3.3%
12位  いわし 2.8%
13位  魚は好きではない 0.7%
-  その他 6.5%
その他のご意見
  回答者数:13808人

集計結果を見て

予想どおり、『まぐろ』が1位でしたね。『まぐろ』のおつくりはごちそうにはつきもの、高級感があるのでしょうね。これに限らず、今回のランキングでは、お刺身として食べる魚が多かったようにも感じました。また、『かに、えび、たこ、いか』は、脂が少なくてたんぱく質が多いのですが、コレステロールもたっぷりの食材ですので、魚とは区別して考えていただきたいと思います。

コメンテーター 荒牧麻子
TEPOREレシピからとっておきをご紹介!
「TEPORE会員が好きな魚トップ10」を使ったお料理レシピはこちら→
レシピ紹介

コラム 伊藤宏之 column 築地のプロが教える、おいしいまぐろの解凍法
 

スーパーで売られている『まぐろ』に関しては、価格の幅も大きくないので、どれを選んでもさほど味の差はありません。その中で見分けるとしたら、表面に水が出ていないものを選ぶということです。ただし、多少鮮度が落ちているくらいなら表面を湯引きして、『漬け』にして食べると安心していただけます。また、意外と知られていないのが『冷凍まぐろ』の解凍法です。海水と同じくらいの濃度の塩水に浸して、冷蔵庫で解凍すると、ムダな水分が出ますから、包丁が入るくらいになったら取り出して、ペーパータオル等で水分をふき取って、もう一度庫内へ。こうすることで水分も取れますし、身も締まってきます。お刺身の代表格『まぐろ』をご家庭で食べるときには、ぜひ試してみてください。


Q2.どれくらい魚を食べていますか?
TEPORE会員の皆さまに、『どれくらい魚を食べているか』を聞いてみました。前回のアンケート調査でお答えいただいた『肉類』を食べる頻度と比べてみると、ほぼ同じという結果になりました。肉類、魚類とバランスよく食べていることがわかります。皆さまのご家庭では、いかがですか?

Q2.どれくらい魚を食べていますか?
Q2.どれくらい魚を食べていますか?グラフ

週1〜2回 35.5%
週2〜3回 26.7%
1日おき 19.7%
1日1食 10.8%
ほとんど食べない 4.0%
毎食 1.7%
1日2食 0.9%
その他 0.6%
全く食べない 0.1%
その他のご意見
  回答者数:13808人

Q3.魚に対するイメージを教えてください
『魚に対するイメージ』について聞いたところ、「ヘルシー」「栄養がある」など、どうやら健康食品としての印象が強いようです。しかし、「調理後のにおいが気になる」「調理しにくい」など、肉類では見られなかった調理時の問題点が、魚には出てきました。

Q3.魚に対するイメージを教えてください

おいしい   75.8%
ヘルシー   69.9%
栄養がある   60.7%
調理後のにおいが気になる   19.1%
生臭い   19.1%
安価   14.2%
高価   13.3%
調理しにくい   11.9%
食べにくい   8.6%
その他   1.8%
その他のご意見
  回答者数:13808人

集計結果を見て

前回の『お肉のチカラ』でも触れましたが、日本人はお肉より魚から多くコレステロールを摂取しています。100g中の含有量を比較すると、魚のほうが多くコレステロールを含んでいます。今回のアンケート結果では「ヘルシー」という回答が2位でしたが、多様な栄養素を含んでいる反面、コレステロールを気にすべき食材でもあるのです。お肉もそうですが、食べる量が問題ですね。ただし、TEPORE会員の皆さまからの食べる頻度についての回答を見てみると、お肉の頻度とほぼ同じでした。経済的合理性、つまり値段のことを考えても、実際にはお肉とうまく組み合わせて食べていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

コメンテーター 荒牧麻子
TEPOREレシピからとっておきをご紹介!
「TEPORE会員が好きな魚トップ10」を使ったお料理レシピはこちら→
レシピ紹介

Q4.魚の栄養素で関心のあるものはどれですか?
1位『DHA』、3位『EPA』と、老化を遅らせるといわれる脂肪酸に高い関心が集まりました。また、『たんぱく質』や『ビタミン』などの供給源として、魚に含まれる栄養素が正確に認識されていることもわかりました。

Q4.魚の栄養素で関心のあるものはどれですか?

DHA(ドコサヘキサエン酸)   80.3%
カルシウム   44.9%
EPA(エイコサペンタエン酸)   37.4%
たんぱく質   24.2%
タウリン   18.6%
ビタミン   10.6%
特に関心はない   8.7%
その他   0.7%
その他のご意見
  回答者数:13808人

集計結果を見て

『DHA』『EPA』は体の中の酸化を防ぎ、老化のスピードを遅くしてくれる化学成分といわれています。ただし、どれくらい食べると効果的なのかはまだわかっていません。また、2位の『カルシウム』に関しては、現在の食生活で多く食べられている切り身からはあまり期待することはできませんし、ちりめんじゃこなどの小魚では塩分が気になります。それよりも、野菜や果物からでは摂取量が少ない『亜鉛』『マグネシウム』『リン』などのミネラルを多く含む食材として、魚を認識していただきたいと思います。その上で、不足する栄養素を、調味料を含めたほかの食材で補うようにレシピを考えるのがいいかもしれません。

コメンテーター 荒牧麻子

コラム 伊藤宏之 魚屋さんとの付き合い方
 

お彼岸の季節になると、「魚は変わる」と言われています。ごく一般的には、『たい』がおいしい季節になってきます。祝い魚として定着している『たい』は、少々値段が張りますし、魚屋さんではなかなか目にしませんが、『ちだい』ならば手に入りやすくて、値段も安く、どんな調理法でもおいしく食べられます。魚屋さんに注文を出せば、必ず仕入れてくれるはずです。調理法についても、魚屋さんにどしどしたずねてください。スーパーでは個々のお客さまへの対応にも限界がありますが、魚屋さんは専門家、みなさんのご家庭に合わせた安くておいしい旬の魚を、調理法まで含めて教えてくれるはずです。築地市場も平成24年に豊洲へと移転予定ですが、一般のお客さまにもより開かれた市場にしたいと思っています。

TEPOREレシピからとっておきをご紹介!
「TEPORE会員が好きな魚トップ10」を使ったお料理レシピはこちら→
レシピ紹介
まとめ
コメンテーター 荒牧麻子

魚は豊富な栄養素を含んでいますが、食べるときの注意点が2つあります。1つは、すでに申し上げたコレステロールです。食べる量を調整していただきたいと思います。2つ目は、お刺身、煮物、焼き魚と、どのような調理法にも言える塩分の摂りすぎです。おしょうゆや塩の代わりに、カルパッチョやマリネのようにお酢やオイルなどを積極的に取り入れることで、塩分摂取を減らすことができると思います。栄養的な観点から考えると、グラタンにして食べるのもおすすめです。魚にはあまり期待できない『カルシウム』も、牛乳を使ったホワイトソースで補完できますし、新鮮な味わいも楽しめるのではないでしょうか。栄養面だけでなく、経済的合理性を考えても、『たんぱく質』と『ミネラル』の供給源として、お肉と魚のじょうずなバランスを見つけて毎日の献立を考えるのが大切です。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。
 食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
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