2007/8/2掲載

大人の食学〜夏バテを食学する〜 
大人の食学(たべがく)イメージ写真

「豊かな人間性を育むため」という理由で制定され、注目を集めている食育基本法。2006年12月には、この法律に基づいた初めての「食育白書」も発行されました。健やかな生活を送るために、さまざまな角度から“食”を考えようという方向に世の中は動いています。「食育」というと、これまでは子どもをターゲットにしたものととらえられがちでしたが、より豊かな毎日を過ごすためには、大人たちこそ充実した食生活が必要です。そこで、TEPORE会員の皆さまの“食”経験をアンケートで披露していただき、食材・料理方法に限らず、栄養面や生産方法など、多方面から“食生活”について考えていきたいとテポーレは考えます。豊かな“食”をキーワードに、人生そのものを見つめ直したい。それが、テポーレ「大人の食学(たべがく)」です。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
調査概要
調査方法 インターネットリサーチ
調査期間 2007年7月12日(木)〜7月16日(月)
対象者 TEPORE会員
有効回答者数 37,505人(男性20,511人 女性16,994人)
今回の「夏バテを食学する」に関する調査では、
2007年7月12日(木)〜7月16日(月)の間に、
37,505人の方から回答をいただきました。
コメンテーター 荒牧麻子(あらまき あさこ)管理栄養士、食卓プロデューサー。ホテルオークラヘルスクラブの栄養相談を1973年設立時より担当。NPO法人国際食文化研究所・理事長。その著書に『中高年こそダイエット』(NHK出版)などがある。現在、週刊新潮に『私の週間食卓日記』を連載中。アール・ド・ヴィーヴルの会 http://www.artdevivrenokai.com/
http://www.artdevivrenokai.com/
夏バテとは、たくさん汗をかくことで、水分とミネラルが不足して脱水症状に陥ることです。暑さで夜眠れないと睡眠不足になって食欲が低下し、冷たい飲み物ばかり飲んだり、そうめんなど冷たくて食べやすい炭水化物を中心とした食事を続けたりするといったケースが、夏場は増えてしまいます。これは、典型的なたんぱく質やビタミン・ミネラル不足の食生活です。その結果、疲労感やだるさ、立ちくらみやめまい、体のむくみ、下痢や便秘、イライラや無気力感など、さまざまな症状が現れます。健康の基本は、規則正しい生活のリズムと、いろいろな栄養素をおいしく、バランス良く摂取することから始まります。栄養にも気を使いながら、夏ならではの食事を楽しんでいただければ、それが夏バテ対策になるはずです。
Q1.あなたは毎年、夏バテしますか?または、過去に夏バテをした経験がありますか?
1位・過去に何度か夏バテしたことがある(49.8%)、2位・夏バテしたことは1度もない(29.8%)、3位・毎年夏バテする(14.0%)、4位・夏バテの定義がわからない(6.0%)、5位・その他(0.4%)、(回答数=37,505人)
<年代別の1位>
29歳以下 過去に何度か夏バテしたことがある 50.5%
30代 過去に何度か夏バテしたことがある 51.9%
40代 過去に何度か夏バテしたことがある 51.2%
50代 過去に何度か夏バテしたことがある 49.5%
60代 夏バテしたことは1度もない 46.9%
70歳以上 夏バテしたことは1度もない 51.9%
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60歳以上の方では、「夏バテしたことは1度もない」という回答が1位でした。夏の暑さの中でいかに涼をとるか、ということも大切ですが、今回お答えいただいた60歳以上の方には、日ごろから季節に合わせたご自分なりの食生活やくらし方を工夫されることで、夏バテとは無縁の方たちがたくさんいらっしゃるのだろう、と感心させられました。

コメンテーター 荒牧麻子

Q2.夏になると、あなたがよく食べるものをお答えください。(複数回答)
1位   冷たいめん類 72.9%
2位   アイスクリームやシャーベット、カキ氷などの冷たいデザート 47.3%
3位   カレーやエスニックなどスパイシーな料理 35.0%
4位   すいかや夏みかん、ぶどうなどの果物 33.5%
5位   焼き肉、とんかつ、うなぎなどのスタミナ料理 28.2%
6位   プリンやゼリーなどの洋菓子 11.3%
7位   水ようかんやくず桜などの和菓子 11.0%
8位   唐辛子などの効いた激辛料理 10.8%
9位   ふだんと同じ(夏だからといって特に変化はない) 7.8%
10位  温かいめん類 6.5%
(回答数=37,505人)
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TEPOREレシピからとっておきをご紹介 
「夏バテに負けない」レシピはこちらから→
「夏バテに負けない」レシピはこちらから→レシピ紹介

Q3.夏になると、あなたがよく飲むものをお答えください。(複数回答)
1位   麦茶やウーロン茶など冷たいお茶 67.9%
2位   アイスコーヒー、アイスティー 42.2%
3位   ビール、酎ハイなど冷たいアルコール類 35.1%
4位   ミネラルウオーター、スポーツドリンク 29.0%
5位   ジュースや炭酸飲料など冷たいソフトドリンク 27.5%
6位   緑茶、紅茶など温かいお茶類 12.1%
7位   ふだんと同じ(夏だからといって特に変化はない) 9.3%
8位   ホットコーヒー、ホットミルクなど温かい飲み物 8.1%
9位   水道水 4.5%
10位   井戸水や清水(天然の湧き水) 2.5%
11位   日本酒、紹興酒など温かいアルコール類 1.3%
(回答数=37,505人)
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夏の食べ物ではやはり、冷たいめん類が1位でした。「冷やし中華」は、ハムや卵などの食材も使っているので、ひと皿で10種類以上の食品を摂ることもできますが、問題は「そうめん」「ひやむぎ」など、基本的にめんだけで食べるものです。これらのめん類を食べるときは、例えば、うなぎの蒲焼や天ぷら、揚げナスの煮ものなどを添えて、炭水化物以外の栄養素を一緒に摂るように気をつけていただきたいですね。もしかしたら、めん類の食べ方の違いが、夏バテの程度を左右するかもしれませんよ。
夏の飲み物については、冷たいお茶やアイスコーヒーなどが上位を占めていますが、汗をかいたあとだからといって急激に大量摂取すると、かえって胃の消化酵素を薄めることになり、消化・吸収機能を弱めてしまうこともあります。そこで、果物のジュースをオススメしたいですね。りんご、メロン、かんきつ類などの果物は、栄養素的に見ると野菜よりもすぐれているくらいですし、口当たりも良く、水分と一緒にビタミン・ミネラルなどの栄養素が摂取できますので、特に食欲が減退しがちな夏には向いていると思います。また、意識的に温かい飲み物を選ぶのも良いと思いますが、比較的少量でも満足度が高いため、汗をかきやすいこの時期に温かい飲み物をとるときには、水分摂取量が不足しないようにこまめに飲んでいただきたいと思います。

コメンテーター 荒牧麻子

Q4.あなたの夏の食習慣について、当てはまるものをお答えください。(複数回答)
1位   冷たい飲み物を飲む量が極端に多くなる 46.7%
2位   ビールなどのアルコール量が増える 25.7%
3位   朝昼晩と3食とるが、1回の食事量が減る 25.1%
4位   同じようなものを繰り返し食べることが多い 24.3%
5位   涼しくなる時間帯の夕食のボリュームが多くなる 10.4%
5位   疲れやすいので、なるべく甘いものを食べる 10.4%
7位   塩辛いもの、味の濃いものを食べることが多い 9.9%
8位   ちゃんとした食事よりも、すいかやアイスなどを多く食べる 9.8%
9位   食欲がなくなるので食事を抜くことが多い 8.9%
10位   ダイエットのために食事制限する 3.0%
11位   汗をかかないように水分の摂取を控える 1.9%
(回答数=37,505人)
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Q5.夏バテを防止するために、あなたが食生活で心がけていることは何ですか?(複数回答)
1位   汗をかくので水分補給をこまめにする 46.0%
2位   夏野菜をたくさん食べる 35.6%
3位   食事を抜かず、必ず3食きちんと食べる 32.2%
4位   冷たいものばかり食べないようにする 31.6%
5位   豆腐や納豆などの豆類をたくさん食べる 29.7%
6位   酢などを多く使って、さっぱりした料理を食べる 26.1%
7位   ニンニク、しょうがなどを多く使った料理を食べる 23.2%
8位   焼き肉、とんかつ、うなぎなどのスタミナ料理を積極的に食べる 22.5%
9位   体力の消耗が激しいので特に栄養バランスに気をつける 19.8%
10位   香辛料や唐辛子などを使うスパイシーな料理を食べる 16.8%
11位   水分の多い果物などをたくさん食べる 14.0%
12位   胃腸に負担をかけないように、なるべく消化の良いものを食べる 13.5%
13位   火を通した温かい料理を中心に食べる 13.2%
14位   アルコール類を控える 1.2%
(回答数=37,505人)
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夏場に多くなりがちな、加熱せずに盛り合わせるだけのさっぱりした食事では、栄養的な組み合わせが重要になってきます。不足しがちなたんぱく質やビタミン・ミネラルと合わせて、ときにはマヨネーズなども使って、きちんと油を摂取することも忘れないでください。缶詰なども上手に使っていきたいですね。また、気分転換も兼ねて外食などを利用するのも良いでしょう。おいしさを妥協することなく、しかも体に必要な栄養素をしっかり摂って、ご自分なりに続けられる方法で、夏場であっても豊かな食生活を実践していただきたいと思います。また、「火を使う時間をなるべく短くする」という方がいらっしゃいましたが、火を使わないIHクッキングヒーターなら、熱さに苦しめられることもなく、省エネの観点からもオススメですし、電子レンジを上手に取り入れても良いですね。

コメンテーター 荒牧麻子

Q6.これを食べて夏バテを克服した、あるいは夏バテ解消に役立つレシピや食べ方など、「食」にまつわるあなたのとっておきの夏バテ対処法を教えてください。
  • めかぶ+刻みオクラ+とろろ+温泉卵を乗せた「冷やしそば」。食欲がないときでも食べやすいし、栄養もある。ナス・トマト・ピーマン・ズッキーニ・カボチャなどをニンニクとオリーブオイルでいためた「夏野菜のニンニクオリーブオイルいため」もオススメ。トマトの酸味で食が進む。ご飯に乗せたり、丼にしたりしてもおいしい (60代・女性)
  • 料理をつくるとき、なるべく多く「酢」を摂れるように心がける。そうすることで、同時に減塩にもつながる。ただし、夏は発汗量も多くなるので、あまり塩分を減らさないようにも努めている (29歳以下・男性)
  • 「豚肉」は夏バテに良いと聞くので、積極的に食べるようにしています。食欲がないときでも、「冷しゃぶ」や「しょうが焼き」にすれば比較的食べやすいので、食卓に上る頻度が増えます。あとは、胃腸を冷やすのは良くないので、なるべく温かい飲み物を飲むようにしています (60代・女性)
  • 母は、いつも「ヤツメウナギ」を煮ます。干したヤツメウナギを取り寄せて、5cmぐらいのぶつ切りにしてから、1日かけて番茶で煮て、あくを取ります。臭みが抜けたあとで、軽く砂糖としょう油を入れて味を染み込ませます。子どものころは薬だといわれ、毎朝1切れ食べさせられました。当時は嫌いでしたが、大人になってその味にも慣れました。疲れているときは、ほんとに疲れが取れる気がします。そのせいか、夏バテしたことはありません (60代・女性)
  • 鹿児島に住んで初めての食体験。夏バテ気味の体に、小料理屋のおかみさんがつくってくれた「へちまのみそいため」。翌日の朝、顔を洗うとぬるりとしていたが、石けんで洗い落としたらスベスベに。体も、シャキンと一本の筋が入ったみたいに元気になったのにはビックリした。夏はやはり、夏の野菜が体の疲れを取ってくれますね (40代・男性)
  • 「唐辛子、ニンニク、ねぎ、しょうが」を多量に摂ることが、夏バテにはもっとも効き目があります。特に青唐辛子とねぎを薬味にしたうどんやそうめんは、夏には絶品です。これに天ぷらを加えれば栄養的にも満点だと信じて励行し、ここ数年、医者の門をくぐったことがありません (30代・男性)
  • 「ニラ玉雑炊」を食べます。食欲がなくても雑炊ならスルスル入るし、ニラの効果で、冷房で冷えた体も温まります (60代・女性)

まとめ
コメンテーター 荒牧麻子

夏場は、どうしても水分の過剰摂取などによって食欲が落ちてしまいがちです。食事の量が減ってしまった分、間食を充実させるのも良いかもしれません。高齢者の方には、乳脂肪の入っているアイスクリームもオススメです。また、おやつ=甘いお菓子ではなく、“しょっぱいおやつ”も大事な栄養補給になると思います。例えば、「焼きとうもろこし」「おやき」などがそうですね。旬の食材を使うとおいしく、かつ経済的合理性も高い間食になるはずです。冷たいものばかり摂取していると胃腸に負担をかけることにもなりますし、体力消耗にもつながります。また、ビールやお茶などは利尿作用が強く、摂取した以上の水分が排泄されてしまうこともありますから注意してください。調味料の使い方や食事の内容を工夫して、食欲増進につなげながら、今年の夏を元気に乗り切っていただきたいと思います。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
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※アンケート結果や解説等は、掲載当時のものです。