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2007/10/4掲載

大人の食学(たべがく)〜くだもの〜 
大人の食学(たべがく)イメージ写真

「豊かな人間性を育むため」という理由で制定され、注目を集めている食育基本法。2006年12月には、この法律に基づいた初めての『食育白書』も発行されました。健やかな生活を送るために、さまざまな角度から“食”を考えようという方向に世の中は動いています。「食育」というと、これまでは子どもをターゲットにしたものととらえられがちでしたが、より豊かな毎日を過ごすためには、大人たちこそ充実した食生活が必要です。そこで、TEPORE会員の皆さまの“食”経験をアンケートで披露していただき、食材・料理方法に限らず、栄養面や生産方法など、多方面から“食生活”について考えていきたいとテポーレは考えます。豊かな“食”をキーワードに、人生そのものを見つめ直したい。それが、テポーレ「大人の食学(たべがく)」です。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
調査概要
調査方法 インターネットリサーチ
調査期間 2007年9月13日(木)〜9月17日(月)
対象者 TEPORE会員
有効回答者数 40,570人(男性21,930人 女性18,640人)
今回の「くだもの」に関する調査では、
2007年9月13日(木)〜9月17日(月)の間に、
40,570人の方から回答をいただきました。
コメンテーター 荒牧麻子(あらまき あさこ)管理栄養士、食卓プロデューサー。ホテルオークラヘルスクラブの栄養相談を1973年設立時より担当。NPO法人国際食文化研究所・理事長。その著書に「中高年こそダイエット」(NHK出版)などがある。現在、週刊新潮に『私の週間食卓日記』を連載中。アール・ド・ヴィーヴルの会 http://www.artdevivrenokai.com/
http://www.artdevivrenokai.com/
さまざまな食べ物に対して、「季節感が感じられなくなった」と盛んに言われます。しかし、「くだもの」は、今でも旬や季節を感じやすい食べ物なのではないでしょうか。季節や産地の気候によって、甘さや酸味、食感などが微妙に違うくだものが、皆さまの食卓にもこの時期、必ず登場していることでしょう。くだものは、野菜よりも嗜好性が高い食べ物です。また、栄養学的に見ても、くだもので野菜の代替はほとんどできてしまうのですが、野菜ではくだものの代替にはなりません。くだものでしか味わえない要素を知って、くだもののある食生活を楽しんでいただきたいと思います。
Q1.あなたは、くだものをどれくらいの頻度で食べていますか?
1位   週に2〜3回程度食べる 32.9%
2位   毎日食べる 26.1%
3位   週に1回程度食べる 16.9%
4位   月に2〜3回程度食べる 9.9%
5位   毎食食べる 5.1%
6位   月に1回程度食べる 4.6%
7位   数か月に1回程度食べる 3.7%
8位   まったく食べない 0.5%
(回答数=40,570人)
その他のご意見


集計結果を見て

毎日食べるという方は4人に1人、という少し残念な結果です。できれば、くだものは毎日食べていただきたいですね。
「健康のために毎日、野菜を食べるように心がけている」という方はけっこういらっしゃると思うのですが、くだものを食べることを習慣化している方は、むしろ減少傾向にあるのではないでしょうか。くだものは、やや価格が高いことや、皮をむいたり種を取ったりしなければ食べられないという手間もあり、外食でもサラダなどで簡単に摂れる野菜に比べると、どうしても口にする機会が減ってしまうようです。
また、野菜のように、なくなったら購入して常備しておく食材と違い、くだものは、意識的に家庭内に持ち込まないと、常に冷蔵庫にあるような食べ物ではないという点も、くだものを食べる機会が減っている要因のひとつかもしれませんね。

コメンテーター 荒牧麻子

Q2.あなたが一番好きなくだものは何ですか?
1位   イチゴ 39.6%
2位   37.7%
3位   梨・洋梨 35.1%
4位   みかん・オレンジ 27.6%
5位   りんご 25.2%
6位   バナナ 22.3%
7位   メロン 21.3%
8位   ぶどう 20.7%
9位   スイカ 17.8%
10位   グレープフルーツ 15.7%
(回答数=40,570人)※複数回答
その他のご意見


集計結果を見て

1位になった「イチゴ」の人気は、おいしさばかりでなく、その食感や色の美しさなどによって、近年どんどん上がってきているようです。また、皮をむかずにそのまま食べられるというフィンガーフード的な食べやすさも人気の理由なのでしょう。その他のご意見に挙がっている、「びわ」「ライチ」「アメリカンチェリー」なども、どちらかというとフィンガーフード的な要素のあるくだものです。どうやら、食べやすさも人気を左右する理由としてあるようです。
上位の中に、国内産のくだものが比較的多いのは、食の安全性とともに、くだものによりみずみずしさを求める心理の表れではないかと思います。特に、「イチゴ」や「桃」などは、西日本でも東日本でもつくられるようになって、比較的収穫の期間が長くなったことも、全国的な人気につながっているのではないでしょうか。それにしても、その他のご意見を拝見すると改めて、日本には非常にたくさんの種類のくだものがあることがよくわかります。

コメンテーター 荒牧麻子

TEPOREレシピからとっておきをご紹介 
メインディッシュからデザートまで「くだもの」を使うレシピはこちらから→
TEPOREレシピからとっておきをご紹介 メインディッシュからデザートまで「くだもの」を使うレシピはこちらから→レシピ紹介

Q3.ふだん、あなたはどんなときにくだものを食べることが多いですか?
1位   夕食のときに 29.5%
2位   朝食のときに 27.0%
3位   おやつに 19.6%
4位   夜食のときに 8.4%
5位   昼食のときに 3.6%
6位   お風呂上りに 3.3%
7位   気が向いたときに 2.7%
8位   健康に注意しているときに 1.9%
9位   食事のときはほとんど常に 1.6%
10位   風邪を引いたときに 0.9%
(回答数=40,570人)
その他のご意見


集計結果を見て

くだもののことを水菓子とも言いますが、睡眠中に失われた水分やエネルギーを効率よく補給する意味でも、夕食に食べるよりは、どちらかというと朝食で食べることををおすすめしたいですね。それは、朝食時にくだものを食べられるような、時間的、精神的なゆとりのあるライフスタイルが望ましいということでもあります。大げさかもしれませんが、健やかな生活の象徴のようなイメージがくだものにはあります。栄養や水分の補給だけでなく、心の豊かさにもつながるくだものを、ぜひ毎朝の食事習慣に取り入れていただきたいと思います。
また、くだものの香りに含まれる揮発性成分である「フルーツ・エステル」には、身体のサビ(酸化)を防止する効果があるとも言われています。くだものの香料がアロマテラピーなどに使われることが多いのも、その効果によるものです。香りとともに心がふわっと軽く、リラックスできる食べ物であるくだものを、もっと積極的に生活の中に取り入れていただくと良いと思います。

コメンテーター 荒牧麻子

Q4. あなたがくだものを食べる理由は何ですか?
1位   おいしいから 74.0%
2位   ビタミンを補給できるから 40.1%
3位   健康に良いから 32.9%
4位   単純に好きだから 24.1%
5位   簡単に食べられるから 15.4%
6位   口直しでサッパリするから 14.0%
7位   お菓子よりも体に良さそうだから 13.3%
8位   甘いから 11.2%
9位   酸味が爽やかだから 8.5%
10位   食感が良いから 8.1%
(回答数=40,570人)※複数回答
その他のご意見

Q5.あなたがくだものを選ぶとき、もっとも重視するポイントは何ですか?
1位   鮮度(新鮮さ) 78.1%
2位   旬のもの 49.3%
3位   価格が安いこと 38.8%
4位   安心できる産地のもの 33.1%
5位   傷がないこと 14.6%
6位   糖度が高いこと 14.4%
7位   無農薬栽培や有機栽培のもの 9.0%
8位   価格が高くても質が良いこと 8.9%
9位   色の鮮やかさ 5.8%
10位   信頼できる銘柄であること 4.9%
(回答数=40,570人)※複数回答
その他のご意見


集計結果を見て

くだものを食べる理由の1位が、圧倒的に「おいしいから」だという結果を見ても、やはりくだものは、嗜好品としての意味合いが強い食べ物と言えるでしょう。また、ビタミン補給などの健康的な目的で食べる方も多くなっています。
くだものは、「柑橘類」や「イチゴ」「キウイフルーツ」などのビタミンCを多く含むグループと、「りんご」「梨」「桃」などのビタミンCが比較的少ないグループに分かれます。ただ、そのどちらのグループのくだものにも含まれているのが、日常生活で不足しがちなカリウムと食物繊維、それから水分です。
また、くだものに含まれる糖分を気にされる方も多いと思いますが、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。食事バランスガイドでは、女性や子ども、高齢者の場合、「りんご」や「梨」なら1個、「柿」や「桃」なら2個が1日の摂取量の目安となっています。男性の場合は、この約1.5倍が目安です。
くだものを選ぶ基準として「鮮度」を1位に挙げているのも、調理せずにそのまま食べることが多い食べ物だからこそだと感じました。

コメンテーター 荒牧麻子
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東京青果株式会社営業本部 加瀬正孝さん コラム 新鮮なくだものを届けるために 東京青果株式会社営業本部 加瀬正孝さん
 

東京都大田市場での青果卸の仕事は、生産者と消費者の間をつないで、より新鮮な作物を、適正な価格で、安定して供給することです。特にくだものは、生のままで口に入ることが多いので、消費者の皆さんに少しでも早くお届けできるように努力しています。産地によって輸送時間の違いはありますが、だいたい収穫した翌日には選果場に運ばれ、その翌日には店頭に並ぶという流れが一般的です。
種類にもよりますが、くだものはお店で買ってから2〜3日で食べていただくのが、おいしい召し上がり方です。熟れ具合などを外見だけで判断するのはなかなか難しいので、できれば購入するとき、お店の人に「いつごろ食べたらおいしいですか?」と聞いていただくといいですね。
日本で流通しているくだものの中で一番量が多いのは「バナナ」、2番目が「みかん」です。「バナナ」は、輸入くだもの全体の70%近くを占めています。国内産くだものでは、今回のアンケートでの人気が示す通り、「イチゴ」が取り扱い高トップで約18%に上ります。この他にも、日本にはおいしいくだものが数え切れないくらいたくさんあります。
今年は日照時間が去年よりも長かったので、くだものの生育がとても良い状態で、生産量も十分です。去年よりも多少価格も安くなっていますから、おいしくて食べて健康にもつながるくだものを、ぜひたくさん食べていただきたいですね。


Q6.贈り物でいただいたり、大量に収穫できたり、買いすぎてしまったりして、食べきれない量のくだものがあるとき、あなたならどうしますか?
  • ひとつひとつ新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れて、野菜室にて保存します。しばらくはおいしく食べることができます (60代・女性)
  • 酢漬けにしてドレッシングに (60代・女性)
  • 食事を抜いても食べる (50代・男性)
  • 果実酢をつくる (40代・女性)
  • フルーツ茶 (40代・男性)

  • コンフィや飲み物をつくる (30代・女性)

  • 煮りんごなどのように砂糖で煮ておく (60代・女性)

  • ワイン漬けにしたり、ワインでコンポートをつくったりする (50代・男性)

  • 加熱できるものは熱を通して冷蔵庫へ (50代・女性)

  • 安い赤ワインにいろいろなフルーツを入れて、サングリアをつくる (30代・女性)

  • りんご、みかん、バナナなどは、庭に出して野鳥のえさにしている (60代・男性)

  • 酵母をおこして、パンをつくる (30代・女性)

  • くず寄せやゼリーにする (50代・女性)

  • 細切れにし、冷凍してスムージージュースをつくって飲みます (50代・女性)

  • 肉を漬ける (40代・男性)

  • おなかいっぱいでも、がんばって食べる! (40代・女性)

  • 畑に植えてみる (50代・女性)


Q7.あなたの好きなこだわりのくだものや、旬のくだものがさらにおいしく味わえるオススメの食べ方などがあれば教えてください。
  • 産地に行ったときに食べるくだものは、ほんとうにおいしいと思うことが多いです。最近、山梨に行ったときに「藤稔(ふじみのり)」というぶどうを買いましたが、おいしかったです (30代・男性)
  • 梨やりんごを4つ切りにし、皮をむいて、芯も取り除いたら、砂糖と一緒に炊飯器にかける。おいしいコンポートができます (60代・女性)
  • 熟しすぎた柿などは、冷凍してシャーベット状にするとおいしく食べられます (40代・女性)
  • 梅、金柑は毎年必ず甘露煮をつくって保存し、料理の付け合せにしたり、ヨーグルトやデザートに添えたりしている。栗も渋皮煮にして、お正月のおせちに加える (60代・女性)
  • 杏の果実酒ができ上がったあとの杏で、ジャムをつくる (60代・男性)

  • 岡山の「桃太郎ぶどう」!種もなく皮もむかずにそのまま食べられるので、エコだし、味も最高です。無農薬の夏みかんは、実を食べたあとに皮でママレードをつくって食べれば、2度おいしいよ!自分でつくるママレードは最高です (40代・女性)

  • イチゴが好きですが、食べ方はいろいろあります。中でも気に入っているのは、イチゴをスライスし、ブルーベリーと一緒にバルサミコ酢をかけて一晩冷蔵庫で冷やし、翌朝、パン食の際のデザートとして食べるととてもおいしいです (60代・女性)

  • りんごやかんきつ類は料理に使います。わが家の定番はカレーにりんご。柑橘類は肉料理のソースに欠かせません (70歳以上・男性)

  • かりんのハチミツ漬けを毎年つくって、冬にのどが痛いときに飲んでいます (30代・女性)

まとめ
コメンテーター 荒牧麻子

チンパンジーやオランウータンなどの霊長類の生態が解明されるにつれて、食料としてくだものがある場所を優先的に生息地として選ぶらしいことがわかってきました。また、動物園の霊長類にエサを与える際に、トウモロコシやイモ類に加えてくだものを混ぜておくと、最初にまずくだものだけを上手に選んで食べてしまい、その後でくだもの以外の食べ物に手を出すようになるそうです。どうやらくだものは、栄養素的にも、味覚的にも、霊長類にとって欠かせない食料なのですね。生物学的に見て、人間に最も近い存在である霊長類が求めるということは、人間にとっても、くだものは価値の高い食べ物と言えるのではないでしょうか。
そのくだものも、品種改良や生産施設、生産方法などの開発が進み、これまでは生育が難しいと思われていた地域・環境でも、おいしいくだものを栽培することが可能になりつつあります。輸送距離を短縮して環境負荷やコストを削減する上でも、今後は、くだものにも地産地消が求められていくと思います。一方、ガーデニングや家庭菜園の広がりから、自宅でくだものを栽培して食べるという方も増えてくるかもしれません。
今回のアンケート結果からは、くだものが思ったほど食べられていない様子が見えてきましたが、私たちの体と心を健康に保つ効果の高いくだもの、地産地消で新鮮なものがより手に入りやすくなっていくくだものを、もっと積極的に生活の中に取り入れていただきたいと思います。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
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