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2008/2/7掲載

大人の食学(たべがく)〜ビタミン・ミネラル〜 
大人の食学(たべがく)イメージ写真

食生活を通じて豊かな人間性を育むために、「食育基本法」が制定され、『食育白書』も発行されるようになりました。健やかな生活を送るべく、さまざまな角度から“食”を考えようという方向に世の中は動いています。「食育」というと、これまでは子どもたちを対象としたもののように思われていましたが、より豊かな毎日を過ごすためには、大人たちこそ充実した食生活が必要です。 そこで、TEPORE会員の皆さまの“食”経験をアンケートで披露していただき、食材・料理方法に限らず、栄養面や生産方法など、多方面から“食生活”について考えていきたいとテポーレは考えます。豊かな“食”をキーワードに、人生そのものを見つめ直したい。それが、テポーレ「大人の食学(たべがく)」です。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
調査概要
調査方法 インターネットリサーチ
調査期間 2008年1月17日(木)〜1月20日(日)
対象者 TEPORE会員
有効回答者数 48,559人
(男性26,835人 女性21,724人)

今回の「ビタミン・ミネラル」に関する調査では、2008年1月17日(木)〜1月20日(日)の間に、48,559人の方から回答をいただきました。

コメンテーター 荒牧麻子(あらまき あさこ)管理栄養士、食卓プロデューサー。ホテルオークラヘルスクラブの栄養相談を1973年設立時より担当。NPO法人国際食文化研究所・理事長。その著書に「中高年こそダイエット」(NHK出版)などがある。現在、週刊新潮に『私の週間食卓日記』を連載中。アール・ド・ヴィーヴルの会 http://www.artdevivrenokai.com/
http://www.artdevivrenokai.com/
日本人の食生活は豊かになって、ビタミンやミネラルの欠乏による重い疾病などは、ほとんどなくなりました。しかし、その一方で、「飽食の時代」に象徴されるアンバランスな食事によって、本来もっと必要なはずの栄養素が不足しがちなのも、現代の食生活の特徴と言えるかもしれません。また、さまざまな健康情報に触れる機会が増えたことによって、「自分の体はビタミンやミネラルが不足気味なのではないか?」といった漠然とした不安感をお持ちの方が増えているようでもあります。そこで、ビタミン・ミネラルの理想的なとり方を通じて、食生活の見直しについても考えてみたいと思います。
Q1.あなたは、ビタミン・ミネラルを意識してとっていますか?
1位   たまに意識してとるようにしている 43.2%
2位   あまり意識していない 27.9%
3位   常に意識してとっている 18.3%
4位   意識してとることはまったくない 6.1%
5位   家族が意識してくれるのでまかせている 4.4%
(回答数=48,559人)
その他のご意見


集計結果を見て

3位の「常に意識してとっている」という方を除いては、たぶん、よく分からないというのが正直なところなのではないでしょうか?体の調子が悪いとき、その原因が実際にビタミンやミネラルの不足だということは、比較的少ないのではないかと思います。ミネラルについては、確かにカルシウムとカリウムは不足気味のようだと言われていますが、日本人は現在、数字の上ではビタミンは十分にとっているということになっています。例えば、肌の調子が悪いと「ビタミンが不足している」と考える方がいらっしゃいますが、実際には、たんぱく質と脂質による影響のほうが大きいのです。やはり健康の基本は、たんぱく質・脂質・炭水化物という三大栄養素がしっかりとれているか、という点にあるのです。その上で、ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素をきちんと摂取できるような、バランスのとれた食生活を意識する必要があるのだと思います。

コメンテーター 荒牧麻子

Q2.あなたの食生活で、ビタミン・ミネラルは足りていると思いますか?
1位   不足気味だと思う 46.0%
2位   まあ足りていると思う 35.8%
3位   まったく不足していると思う 7.9%
4位   よく分からない 7.6%
5位   十分足りていると思う 2.7%
(回答数=48,559人)
その他のご意見


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「食事メニューに野菜が足りない」「海草やきのこ類をあまり食べていない」という感じにご自身の食生活を振り返り、“不足気味”という項目をチェックした方が多かったのではないでしょうか? 自分自身の食生活の癖を知ることから、ビタミンやミネラルの不足を考えてみるというのは大切なことだと思います。
では、実際にどのような食生活を心がけるのが望ましいかというと、『野菜は毎食、果物や牛乳・乳製品は毎日』というスタンスを保つことだと思います。このことを意識していれば、サプリメントなどによる補給がさほどなくても、必要なビタミン・ミネラルは十分摂取できますよ。


コメンテーター 荒牧麻子

Q3.あなたは、ビタミン・ミネラルをどのような方法で補っていますか?
1位   野菜を食べる 80.6%
2位   果物を食べる 51.5%
3位   海藻類を食べる 47.8%
4位   魚介類を食べる 43.5%
5位   乳製品を食べる 42.2%
6位   豆類を食べる 41.5%
7位   肉類を食べる 34.5%
8位   野菜ジュースを飲む 32.7%
9位   サプリメントで補給する 32.2%
10位   フルーツジュースを飲む 12.9%
(回答数=48,559人)※複数回答
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アンケート結果を拝見した印象では、TEPORE会員の皆さまは、食生活に関して実に意識が高いようです。不足しがちな栄養素を、毎日の食事によって自然に補おうと考えていらっしゃることは、すばらしいことだと思います。特に、その他のご意見の中には、ごまや木の実、雑穀、黒糖など、オススメしたい食材がずらりと並んでいます。こうした食材は、ぜひ積極的にとっていただきたいですね。
これまでの「大人の食学」シリーズのラインナップを通じて、自分自身で食材を吟味し、楽しみながら料理をする。そして、でき上がった料理をおいしくいただく。その中で必要な栄養素をしっかり摂取する、という理想的な食生活のあり方が、皆さんに受け入れられつつあるのかなと感じ、とてもうれしく思いました。

コメンテーター 荒牧麻子
TEPOREレシピからとっておきをご紹介 
「ビタミン・ミネラルたっぷりレシピ」はこちらから→
「ビタミン・ミネラルたっぷりレシピ」はこちらから→レシピ紹介

Q4.サプリメントの利用頻度についてお伺いします。あなたは、ビタミン・ミネラルのサプリメントをどのくらいの頻度で飲用していますか?
1位   ビタミン・ミネラルのサプリメントは飲用していない 37.9%
2位   気が向いたときに飲んでいる 18.7%
3位   毎日飲んでいる 18.3%
4位   週に数回程度飲んでいる 10.7%
5位   体調の悪いときだけ飲んでいる 7.4%
6位   月に数回程度飲んでいる 3.8%
7位   週に1回程度飲んでいる 2.8%
(回答数=48,559人)
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意外にも、サプリメントにはあまり頼らないという方のほうが多い傾向のアンケート結果でした。これも、「健康維持のために食生活そのものを見直していこう」という意識が皆さんの中に根付いている証と言えるでしょうか。
ただ、サプリメントを毎日飲んでいらっしゃるという方も、2割弱いらっしゃいました。サプリメントを食生活に取り入れるというスタイルが一般化して、まだ10〜20年しか経っていません。そのため、良い面も悪い面も、具体的な影響が出てくるのはこれからだと思います。普段の食生活の中で、食材からどのような栄養素を、どの程度摂取しているかを知ることは難しいかもしれませんが、サプリメントなどによる補助が必要かどうかを、イメージだけで判断すると、過剰摂取というリスクも考えられます。例えば、ビタミンCなどの水溶性のビタミンは、過剰摂取したとしても下痢をする程度で体外に排せつされますが、ビタミンEやDなどの脂溶性ビタミンは、肝臓などに蓄積されて排せつされにくいため、過剰摂取には注意が必要です。

コメンテーター 荒牧麻子

Q5.ビタミン・ミネラルの不足が原因の体調不良について、あなたが経験しているものはありますか?
1位   疲れやすい・疲労が抜けにくい 38.3 %
2位   風邪をひきやすい 22.3%
3位   特に体調不良などは感じない 20.7%
4位   口内炎ができやすい 18.5%
4位   肌が荒れている 18.5%
6位   腰痛・肩こり 17.1%
7位   目がかすむ、充血している 9.6%
8位   ビタミン・ミネラルの不足が引き起こす症状を知らなかった 9.0%
9位   ストレスやイライラすることが多い 8.0%
10位   手足が冷える 7.8%
(回答数=48,559人)※複数回答
その他のご意見


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このアンケート結果は、裏を返せば「ビタミンやミネラルに期待すること」と読めると思います。しかし、病院などの医療機関を受診して体調不良を訴えても、「ビタミンやミネラルの不足ですね」と診断されることが少ないように、直接の原因としての判断はなかなか難しいのが実情です。ビタミン・ミネラルは、体内において単体で働いているわけではなく、ホルモンや酵素のひとつの構成要素として働いています。ですから、特定の症状を単純にビタミンやミネラルの不足とだけ断定することはできにくいのですね。その他の栄養素と組み合わせて、ビタミンやミネラルも継続的にとることが必要だと思います。


コメンテーター 荒牧麻子
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コラム ビタミンとの上手な付き合いかた ビタミン広報センター 代表 日水教子さん

日水 教子さん現在、分類されているビタミンは13種類あります。ビタミンAに始まって、B群、C、D、Eなどはよく知られているようですが、パントテン酸、葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンKまでが世界各国で研究され、その働きが次々と解明されています。
例えば、目の疲れには、ビタミンA、B1、B6、B12、C、Eが効果があるとされ、口内炎がよくできる人には、パントテン酸、ビオチン、ナイアシン、葉酸などが有効だと言われています。また、最近では、白内障や認知症の予防にもビタミンが関与しているという研究発表も行われています。
これだけ注目されているビタミンですが、必ずしも単体で摂取すれば良いというものではないと思います。最近、利用者が増えているサプリメントなどは、ビタミンそのものを直接摂取したいという現代人の心理にマッチしたことでヒットしていますが、食事の中には、ビタミン以外の栄養素や、まだ判明していない成分なども含まれています。もしかすると、雑物として扱ってしまっているそれらの成分と一緒に食べることで、肉や魚、野菜などから、より大切な栄養素を摂取することができているのかもしれません。知らずに食べた食事の中に、健康維持に役立つものがあるということも考えられます。
また、ストレス社会に生きる現代人には、体の栄養素としてのビタミンと同時に、心のビタミンも必要だと言われています。あるいは、ビタミンの存在を知らなかった時代の人々のほうが、精神的な面ではかえって健康体だったのではないかとも考えられます。ビタミンそのものに関心を持つことも大切ですが、極端に神経質になり過ぎることで、楽しいはずの食事をストレスの原因にしてしまわないようにしたいものです。

ビタミン広報センター
http://www.vic-japan.gr.jp/


Q6.ビタミン・ミネラルがたっぷりととれるオススメ料理などがあれば教えてください。
これは定番
  • パエリア。ムール貝を殻ごと煮るのでカルシウムも出てそうだし、具材がいろいろ入っているから、栄養のバランスも良いと思う。仕上げにレモンを搾るので、ビタミンCもとれそう (40代・男性)
  • ちゃんぽん麺。野菜、貝、エビ、きのこ、ワカメ類をたっぷりと入れて。大好物で、週1回以上は作ります (30代・女性)
  • クッパ!スープにたくさんの野菜を入れて(このとき、ほんと何でも入れてください。ワカメやさつまいも、白菜、なーんでも)、鶏がらスープの素や中華味の調味料を入れて煮立て、ご飯にかけたらめっちゃうまい!ミネラルやビタミンがとれちゃう!! (50代・男性)
一味違うオリジナリティ
  • 野菜を何でも電子レンジでチンして、プラス、モッツァレラチーズを入れて、唐辛子をきかせた韓国風ドレッシングで和えていただきます。はまること間違いなし!おいしいサラダです (30代・女性)
  • ひき肉や魚のすり身に、細かく刻んだ野菜・きのこ類・海草類を混ぜ込み、キャベツや白菜で小さく包んで、ジャガイモ・にんじん・玉ねぎ・セロリなどと一緒に野菜ジュースとトマトソースで煮込み、ミネストローネ風に (40代・男性)
  • 野菜の種類をたくさんとるのに、野菜チャーハンをよく食べます。野菜は、モヤシとその他いろいろ、例えばジャガイモ、にんじん、玉ねぎ、小松菜、白菜など。味付けに七味唐辛子を使うと、食が進みます (40代・女性)
  • 豆・根野菜・玉ねぎ・昆布を1センチ角に切って、鶏がらスープとホールトマトで煮込んだスープ。おいしいですよ (70歳以上・男性)
  • ポークのクリームシチューに、インゲン豆や、ひよこ豆などを入れる。ビタミンB、A、C、E、ミネラルなど、まとめてとれる (40代・女性)
  • 私は、妻にはばかにされるが、温かいご飯にバターを混ぜ、塩昆布・小魚のつくだ煮・細かく切ったハムなどを混ぜ込み、それに冷たい牛乳をたっぷりかけて食べるのが大好きで、ときどきこれを食べています (40代・男性)
  • 卵の中にひじきとワカメをたっぷり入れて焼いたものに、大根おろしとすだちをかけていただく (60代・男性)
  • 具だくさんの野菜スープを作ります。材料は、鶏手羽先・玉ねぎ・キャベツ・きのこ・にんじん・パプリカ・セロリ・にんにく・トマトの缶詰・コンソメ・塩・こしょう。作り方は、鶏手羽先をオリーブオイルとにんにくで、フライパンで焼き、だいたい火が通ったら、鍋に入れて煮る。残りの材料を1センチ角くらいに切り、鍋に加えて煮る。手羽先が柔らかくなったら、身と骨を分け、身だけを鍋に戻す。コンソメ・塩・こしょうで味を調えて、完成 (50代・女性)
  • いわしのすり身とにんじん、玉ねぎのみじん切りを混ぜた団子の揚げ物 (40代・女性)
  • ちぢみほうれん草と豚肉の重ね蒸し。洗ってざく切りにしたほうれん草、しゃぶしゃぶ用の豚肉、軽くつぶしたにんにく(好きなだけ)を、お鍋の中に適当に重ねていくだけ。最後にお酒をさっと回しかけて、フタをして蒸し煮する。火が通ったらポン酢などでいただきます。超簡単でおいしいです (70歳以上・男性)

まとめ
コメンテーター 荒牧麻子

ビタミン・ミネラルを十分にとるために一番期待できる食材のひとつは、ごまを含めたナッツ類です。次に牛乳・乳製品、そして卵。それから豆類。このあたりが安定的にビタミン・ミネラルをとれる日常的な食材です。一般的なイメージでは、野菜重視になりがちですが、ビタミンDは魚や肉に多く含まれていますし、大盛りの野菜サラダよりも、五目ちらしずしのように穴子やノリ、卵などいろいろな食材が入った料理のほうが、実はビタミン・ミネラルが豊富だったりするのです。なるべく多くの種類の食材を少しずつ使った、少量多品種の食生活を心がけることが、ビタミン・ミネラルを不足なくとるためには一番の近道かもしれません。ご自分の食生活の“癖”を見つけて改善し、バランスの良い食事で健康維持に取り組んでいただきたいと思います。

※生活習慣病や健康診断の数値など、体調や状態には個人差がございます。食事療法や食材の制限などが必要とされる場合は、医師や専門家の指示に従っていただけますようお願いいたします。
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