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『大人の食学』10月から12月までの3回は、カフェ文化に詳しい川口葉子さんをナビゲーターにお迎えして、ゆっくりと楽しむお茶の時間をご提案します。仕事や家事に明け暮れる一日の中で、ティータイムはホッとひと息つける貴重な時間。ただ、あまりに身近すぎて、お茶の正しい淹れ方や由来などを改めて考えてみようという機会は、案外少ないのではないでしょうか。ちょっとした淹れ方のコツをマスターしたり、お茶がたどってきた歴史を知ったりすると、ティータイムがもっと豊かになるはず。そこで、10月の『大人の食学』ではまずコーヒーにスポットを当てて、おいしいコーヒーの淹れ方、豆の選び方はもちろん、コーヒーを飲むこととリラックス効果、心の健康についても考えていきます。
「TEPOREレシピ」から、コーヒーに合うデザートを紹介
コーヒーを淹れる基本道具/おいしいコーヒーの淹れ方
苦手な理由/コーヒーにまつわるエピソード
「コーヒーを学ぶ」に関する意識調査
アンケート結果を見てみましょう
アンケート結果を見てみましょう
今回の「大人の食学 コーヒーを学ぶ」に関する調査では
、2008年9月18日(木)〜9月21日(日)の間に、
60,448人の方から回答をいただきました。
60,448人の方から回答をいただきました。
調査概要
| 調査方法 | インターネットリサーチ |
| 調査期間 | 2008年9月18日(木)〜9月21日(日) |
| 対象者 | TEPORE会員 |
| 有効回答者数 | 60,448人(男性 33,194人 女性 27,254人) |
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(回答数=60,448人)
- ホテルのラウンジ (40代・男性)
- 学校とその通学路、塾など (20代・女性)
- 車での移動中 (40代・男性)
自宅で飲む方が半数以上ということからも、コーヒーは、TEPORE会員の皆さまの生活の中にしっかりと根をおろし、とても親しまれているということがわかります。また、2位は勤務先となっており、仕事の打ち合せや休憩時間などに飲まれていることがうかがえます。そのほか、喫茶店やレストランが7.7%など、さまざまな場所でコーヒーを楽しまれているようですね。
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(回答数=56,540人)※複数回答
- 10時と15時のおやつの時間に (70歳以上・男性)
- 一日中飲んでいます (30代・女性)
- ゴルフのスタート前&プレイ終了後 (70歳以上・男性)
- 胃がむかむかしているとき (30代・男性)
- コーヒーの香りをかいだときに飲みたくなる (40代・女性)
リラックスしたいとき、気分転換したいときが上位にランクインしていることからも、気持ちを切り替えるときにコーヒーを飲んでいることがうかがえます。コーヒーの香りにはリラックス効果があるそうですが、それを裏付けるような結果と言えそうです。また、「食事を食べたあと」という意見が45.3%ということから、食事との関わりも深いことがわかります。

日本の喫茶文化のはじまり
日本にコーヒーが伝わったのは江戸末期のことだと言われています。日本初のカフェ「可否茶館」が上野に開店したのは明治21年のことでした。欧風文化に憧れていた、当時のいわゆる「ハイカラさん」たちが、ロンドンのコーヒーハウスをそのまま日本で再現したのがはじまりなのだそうです。ヨーロッパのコーヒーハウスは、コーヒーを楽しむだけでなく、ビジネスマンたちの社交場であり、情報交換の場でもありましたから、商取引が盛んになった当時の日本では、そうした面でも重宝されたようです。
また、日本には茶道というお茶の時間を楽しむ文化があり、一杯の飲みものを前に豊かな時間を過ごす習慣に対して親和性が高かったことも、喫茶店が普及してコーヒーが愛されるようになった要因なのかもしれませんね。
また、日本には茶道というお茶の時間を楽しむ文化があり、一杯の飲みものを前に豊かな時間を過ごす習慣に対して親和性が高かったことも、喫茶店が普及してコーヒーが愛されるようになった要因なのかもしれませんね。
コーヒーの効果
コーヒーにはカフェインが含まれていることは、皆さんご存じでしょう。このカフェインには、脳に刺激を与え、覚せいさせたり、集中力を高めたりする効果があります。私の場合は、仕事を始める前と、午後に気分転換をしたいときの1日2回、つまり、気持ちの切り替えをしたいときにコーヒーを淹れています。ゆっくりと時間をかけて、香りを楽しみながら飲むと、覚せい効果とはまた違ったコーヒー の効果があるんですよ。コーヒーのアロマには精神を安定させる働きがあり、コーヒーの香りをかぐと、リラックスしたときの脳波であるアルファ波の数値が高くなるということが実証されています。
覚せいとリラックス。対極と言っていいほどの二つの効果を得ることができるのも、コーヒーの魅力でないでしょうか。
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(回答数=56,540人)※複数回答
- おなかがすいているときに、空腹をごまかせる (40代・男性)
- おもてなし気分を味わえる (60代・男性)
- 自分の中で、オンオフの切り替えができる (50代・男性)
- ブラックならカロリーが少ない (50代・男性)
- 利尿作用でむくみ対策を期待して (50代・女性)
「香りが心地よい」が、64.6%と圧倒的に多い結果となりました。また、「リラックスできる」「気分転換できる」といったイメージも上位を占め、コーヒーに対して、何らかの「癒やし」を感じていることがわかります。

工夫次第で自宅もステキなカフェに
喫茶店でコーヒータイムを楽しむように、自宅でもコーヒーを丁寧に淹れて楽しんでみませんか?その日の気分に合わせてコーヒー豆を選んだり、着ている服や空の色と器をコーディネートしてみたり、お気に入りの音楽を流したりして、まわりの雰囲気作りにも凝ってみるのも楽しいものです。
コーヒーは、そのときの体調やシチュエーションに合わせて、飲み方を変えられる飲みものなんです。例えば、仕事前に集中力を高めたいときには、エスプレッソを飲んで気合を入れたり、リラックスタイムには、キャラメルシロップを入れてフレーバーを楽しんだりなど。眠れないときには、ミルクとリキュールをプラスするとホッと落ち着きますよ。ご自分なりのアレンジを工夫して楽しんでみてください。
コーヒーは、そのときの体調やシチュエーションに合わせて、飲み方を変えられる飲みものなんです。例えば、仕事前に集中力を高めたいときには、エスプレッソを飲んで気合を入れたり、リラックスタイムには、キャラメルシロップを入れてフレーバーを楽しんだりなど。眠れないときには、ミルクとリキュールをプラスするとホッと落ち着きますよ。ご自分なりのアレンジを工夫して楽しんでみてください。
国が変われば楽しみ方もさまざま
コーヒーは世界中でさまざまな飲み方をされています。ベトナムではコンデンスミルクを入れるのがポピュラー。香港にはコーヒーと濃いミルクティーを1:1で混ぜる飲み方がありますし、メキシコやジャマイカではコーヒーに
バターやラム酒を加えて飲んだりもします。飲み方は変われども、コーヒーはさまざまな国や地域で愛されています。一緒に食べるお菓子にこだわってみるのも、また楽しみのひとつ。コーヒーとチョコレートの組み合わせは王道と言われていますが、そのほか、ビスコッティ、ナッツ類を使ったような素朴なお菓子がコーヒーとよく合うと思います。
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(回答数=56,540人)※複数回答
「よくある」が45.2%と、自分で淹れることが習慣になっている方が多数いらっしゃいました。ただ、「ときどきある」と「ほとんどない」を合わせると48.2%ということから、他の人に淹れてもらうという方も少なくないようです。
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(回答数=57,722人)※複数回答
「インスタントコーヒー」「抽出型ドリップコーヒー」「コーヒーメーカー」を合わせると63.4%と、コーヒーを淹れるときの手順は、手軽さが一番のポイントになっているようです。一方で、「挽いてある豆をドリップ式で淹れる」「サイフォン式で淹れる」「焙煎した豆を自分で挽いて淹れる」といった、ひと手間かける方も3割以上いらっしゃってと、コーヒーの淹れ方にもこだわりがあることがうかがえます。

自分でコーヒーを淹れる楽しみ
コーヒーは豆を挽いているときが、一番香りが立つ瞬間です。それから、挽いた豆を始めに蒸らすとき、さらに一気に湯を注いだときと、刻々と香りは変化していきます。そうした香りの変化を楽しめるのが、自分でコーヒーを淹れる際の醍醐味とも言えます。時間があるときには、ご自分でゆっくりとコーヒー豆を挽いて淹れてみてはいかがでしょうか?
コーヒー豆の選び方&保存法
良いコーヒー豆に出会うためには、信頼できるお店を見つけることをおすすめします。良心的なお店は、求めている味をお店の人に伝えると、必ず相談に乗ってくれるはずです。初心者なら、酸味と苦みのバランスがとれた、定番的なブレンドを選ぶと良いでしょう。その味を基準にして、苦みの強いもの、酸味の強いもの、と少しずつシフトしながら、自分の舌がもっともおいしいと感じる味を根気よく探してみてください。飲み比べていくうちに味覚が敏感になり、きっとすばらしいコーヒー豆に出会えることと思います。 コーヒー豆は、とにかく鮮度が大切です。購入するときには、いつ焙煎(ロースト)したのかも、お店の人に確認しましょう。きちんと焙煎日を答えられるお店なら、信頼できるお店です。
ローストした豆は日が経つにつれて酸化していくので、冷蔵庫に密封保存して、2週間ほどで飲みきるようにしましょう。
いつものコーヒーをもっとおいしく
手軽に楽しみたいときは、もちろんコーヒーメーカーを使う方法もありますが、それだと豆の種類や状態に合わせた最適な抽出をすることはできません。その点、ドリップ方式なら、変化していく香りやコーヒー粉のふくらみ具合を五感で確認しながら、香りとコクの豊かなコーヒーを淹れることができます。おいしい豆を買った日や、コーヒーをゆっくりと味わいたい休日などには、ぜひドリップ方式で淹れてみましょう。
同じ豆を使っても、挽き方で味は変わってきます。じっくりと時間をかけてコーヒー粉を蒸らして旨みを抽出するドリップ方式に向いているのは、粗挽き。一方、細挽きは短時間に風味が抽出されるので、エスプレッソ用と言えます。目的やその日の気分に合わせてコーヒーを楽しむためには、自分好みにコーヒー豆を挽くことができるコーヒーミルも用意しておくと良い でしょう。
また、おいしいコーヒーを淹れるためには、水も肝心です。「とっておきのコーヒー豆だから、ミネラルウォーターを使って」と考える方も多いようですが、実は、硬水のミネラルウォーターを使うと、硬水のミネラル成分がコーヒーの風味を妨げてしまいます。おいしいコーヒーを淹れるには、軟水か、浄水器を取り付けた蛇口から出る酸素の気泡を多く含んだ水道水を使いましょう。
同じ豆を使っても、挽き方で味は変わってきます。じっくりと時間をかけてコーヒー粉を蒸らして旨みを抽出するドリップ方式に向いているのは、粗挽き。一方、細挽きは短時間に風味が抽出されるので、エスプレッソ用と言えます。目的やその日の気分に合わせてコーヒーを楽しむためには、自分好みにコーヒー豆を挽くことができるコーヒーミルも用意しておくと良い でしょう。
また、おいしいコーヒーを淹れるためには、水も肝心です。「とっておきのコーヒー豆だから、ミネラルウォーターを使って」と考える方も多いようですが、実は、硬水のミネラルウォーターを使うと、硬水のミネラル成分がコーヒーの風味を妨げてしまいます。おいしいコーヒーを淹れるには、軟水か、浄水器を取り付けた蛇口から出る酸素の気泡を多く含んだ水道水を使いましょう。
コーヒーを淹れるための基本道具
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| コーヒーミル | ドリッパー&サーバー | コーヒーポット |

コーヒーの淹れ方には、ペーパードリップ、ネルドリップ、サイフォン、パーコレーター、エスプレッソなど、さまざまな抽出方法ありますが、今回はペーパードリップの中でも、もっともネルドリップに近いおいしさが抽出できると言われている、1つ穴のコーノ式ドリッパーを使用したペーパードリップ方式の淹れ方をご紹介します。
基本の淹れ方をマスターすれば、いつものコーヒーをワンランクおいしくすることができますよ。
基本の淹れ方をマスターすれば、いつものコーヒーをワンランクおいしくすることができますよ。
| 1. | ドリッパーにセットしたペーパーに、一度湯通しをして全体を密着させてから、ミルで挽いた杯数分のコーヒー豆を入れます。 豆は、必ず淹れる直前に挽いてください。 |
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| 2. | 沸騰させた湯を90〜95度に少し落ち着かせてから、粉の中心に湯をそっと置くような気持ちでゆっくりと注ぎます。 コーヒーポットは、狙ったところにお湯が注げて、湯量もコントロールできる、注ぎ口が細いものが理想です。 |
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| 3. | 粉のふくらみが完全にへこみきらないうちに、粉の中心にゆっくりと500円玉くらいの円を描くように湯をそそぎ足します。 このとき、ペーパーフィルターのまわりまで濡らしてしまうと、お湯が直接サーバーに落ちてコーヒーが薄まるので要注意。 サーバーに落ちない程度に粉に湯を吸収させ、しばらく蒸らします。 充分に蒸らされると、チョコレートのような甘い香りが立ちのぼります。 |
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| 4. | ある程度ふくらんだら、湯をストップ。粉のふくらみがへこみきらないうちに、また次の湯を注ぐことを数回繰り返して、予定の抽出量に達したら、すぐにドリッパーを外します。 ふくらんだ白い泡はアクなので、最後の一滴までサーバーに落とすと、雑味が混じってしまいます。 |
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コーヒー業界の動向や、コーヒーの味わいなどについて詳しいことで知られる、堀口珈琲研究所の堀口俊英さんと、今回の講師・川口葉子さんによる、熱く濃いコーヒー談義をお届けします。
コーヒーの味はこの10年で劇的に向上した
川口:最近、カフェをめぐっていると、コーヒーにこだわりのあるお店が増えてきたように感じるのですが?
堀口:実は、2000年にはまだコーヒーの香味の評価基準はない状態でした。だから、どの国の、どの地域の、どの農園で採れた豆がおいしいのか、おいしいコーヒーとはどのようなものなのか、明確ではなかったんです。でも、2002年ごろからトレーサビリティ(生産流通の履歴を管理し追跡できる仕組み)を明確にした豆が輸入されるようになり、その味を比較して、評価を行うことができるようになりました。こうして、基準ができたことによって、良いコーヒー豆が市場に流通しやすくなり、皆さんに届くコーヒーも、おいしさのレベルが上がってきているのだと思います。
おいしいコーヒーの酸味はフルーティー
川口:コーヒーには独特の酸味がありますよね。おいしいコーヒーの酸味には、どのような特徴があるのでしょうか?
堀口:コーヒーには、香り、酸味、苦み、ボディ、フレーバー、アフターテイストといった評価ポイントがあります。その中でも、コーヒーの持つ甘みを感じるためには、酸味が大切なのです。柑橘系の果実のような酸味が多いのですが、中には、ピーチやアプリコットなどの甘い酸味のするものもあります。
川口:コーヒーが果実に例えられるんですね。
堀口:本当においしいコーヒーは、冷めてもおいしい。おいしい酸味のあるコーヒーは、まさにジュースですよ。
豆の産地・種類にもこだわって選びたい
川口:おいしいコーヒーを淹れるためには豆選びも重要だと思いますが、現在、評価が高いのはどういったコーヒー豆ですか?
堀口:インドネシアのマンデリンや、ケニア、エチオピアなどのコーヒー豆です。トレーサビリティが明確になったことで、おいしいコーヒー豆がどの国のどの品種か、チェックできるようになりました。コーヒー豆の袋のラベルで産地や品種を確認すれば、どのような味なのかも、ある程度は判断できます。産地でコーヒーを選べるようになると、さらに楽しくなりますよ。ワインに関しては、一般の方でも知識を持った方が増えていますが、コーヒー豆のことは、まだまだあまり深く知られていないのが現状です。もっと興味を持っていただけるとうれしいですね。
コーヒーがもたらす健康効果も見逃せない
川口:では、コーヒーにはどのような効能があるのでしょうか?
堀口:コーヒーに含まれるクロロゲン酸とカフェインの薬効がわかってきました。ある大学の先生に、「クロロゲン酸にはダイエット効果があり、午前中にコーヒーを3杯飲むと効果がある」とおっしゃる方もいらっしゃいます。また、カフェインにはリラックス効果があって、ストレスを受けたラットにコーヒーに含まれるカフェインを摂取させる実験では、ストレスによる脳内の神経伝達物質の放出が抑えられたというデータもあります。
一杯のコーヒーから見えてくる環境問題や世界経済
川口:コーヒーは、フェアトレードという側面からも注目されていますよね。
堀口:フェアトレード(公平貿易)は、発展途上国で作られた作物を、先進国が適正な価格で取引し、生産者の生活向上を支える仕組みのことです。そのために、生産者が毎年同じ品質のものを持続して作っていくことを援助します。 コーヒー業界では、「スペシャルティコーヒー」という概念が生まれました。欠点が少なく、産地の特徴的な香味のあるコーヒーのことです。このようなコーヒーを20年後も同じように生産し続けていくために、自然環境を保持したり、生産者の生活レベルを向上させたりといった活動も活発になってきています。つまり、コーヒーに携わるということは、自然保護や環境問題にも関与するということなんです。森の木を切ってコーヒーの木を植えるより、自然の中でコーヒーを生産していくことを考えるほうが、環境にやさしいわけです。
川口:一杯のコーヒーが、さまざまな問題につながっているんですね。
堀口:そうなんです。コーヒーを考えることで、環境問題、世界経済まで見えてくるんですよ 。
川口:最近、カフェをめぐっていると、コーヒーにこだわりのあるお店が増えてきたように感じるのですが?堀口:実は、2000年にはまだコーヒーの香味の評価基準はない状態でした。だから、どの国の、どの地域の、どの農園で採れた豆がおいしいのか、おいしいコーヒーとはどのようなものなのか、明確ではなかったんです。でも、2002年ごろからトレーサビリティ(生産流通の履歴を管理し追跡できる仕組み)を明確にした豆が輸入されるようになり、その味を比較して、評価を行うことができるようになりました。こうして、基準ができたことによって、良いコーヒー豆が市場に流通しやすくなり、皆さんに届くコーヒーも、おいしさのレベルが上がってきているのだと思います。
川口:コーヒーには独特の酸味がありますよね。おいしいコーヒーの酸味には、どのような特徴があるのでしょうか?
堀口:コーヒーには、香り、酸味、苦み、ボディ、フレーバー、アフターテイストといった評価ポイントがあります。その中でも、コーヒーの持つ甘みを感じるためには、酸味が大切なのです。柑橘系の果実のような酸味が多いのですが、中には、ピーチやアプリコットなどの甘い酸味のするものもあります。
川口:コーヒーが果実に例えられるんですね。
堀口:本当においしいコーヒーは、冷めてもおいしい。おいしい酸味のあるコーヒーは、まさにジュースですよ。
川口:おいしいコーヒーを淹れるためには豆選びも重要だと思いますが、現在、評価が高いのはどういったコーヒー豆ですか? 堀口:インドネシアのマンデリンや、ケニア、エチオピアなどのコーヒー豆です。トレーサビリティが明確になったことで、おいしいコーヒー豆がどの国のどの品種か、チェックできるようになりました。コーヒー豆の袋のラベルで産地や品種を確認すれば、どのような味なのかも、ある程度は判断できます。産地でコーヒーを選べるようになると、さらに楽しくなりますよ。ワインに関しては、一般の方でも知識を持った方が増えていますが、コーヒー豆のことは、まだまだあまり深く知られていないのが現状です。もっと興味を持っていただけるとうれしいですね。
川口:では、コーヒーにはどのような効能があるのでしょうか?
堀口:コーヒーに含まれるクロロゲン酸とカフェインの薬効がわかってきました。ある大学の先生に、「クロロゲン酸にはダイエット効果があり、午前中にコーヒーを3杯飲むと効果がある」とおっしゃる方もいらっしゃいます。また、カフェインにはリラックス効果があって、ストレスを受けたラットにコーヒーに含まれるカフェインを摂取させる実験では、ストレスによる脳内の神経伝達物質の放出が抑えられたというデータもあります。
川口:コーヒーは、フェアトレードという側面からも注目されていますよね。堀口:フェアトレード(公平貿易)は、発展途上国で作られた作物を、先進国が適正な価格で取引し、生産者の生活向上を支える仕組みのことです。そのために、生産者が毎年同じ品質のものを持続して作っていくことを援助します。 コーヒー業界では、「スペシャルティコーヒー」という概念が生まれました。欠点が少なく、産地の特徴的な香味のあるコーヒーのことです。このようなコーヒーを20年後も同じように生産し続けていくために、自然環境を保持したり、生産者の生活レベルを向上させたりといった活動も活発になってきています。つまり、コーヒーに携わるということは、自然保護や環境問題にも関与するということなんです。森の木を切ってコーヒーの木を植えるより、自然の中でコーヒーを生産していくことを考えるほうが、環境にやさしいわけです。
川口:一杯のコーヒーが、さまざまな問題につながっているんですね。
堀口:そうなんです。コーヒーを考えることで、環境問題、世界経済まで見えてくるんですよ 。
堀口珈琲研究所 ホームページ >> http://www.kohikobo.co.jp/
堀口俊英さんが主催し、コーヒー栽培・精製の研究、生豆の輸入および卸売、開業支援等のコンサルタント、 コーヒーに関するセミナーの運営などを行っている。 |
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- 一年中ホットで飲みます。真夏の熱いコーヒー、真冬の温かいコーヒー、どちらもおいしいです (40代・男性)
- ドリップで始まり、サイフォン、電器メーカーを経て、現在のセラミックミル、水出し抽出器にまでたどり着いた。なかなかゴールが見えてこないほど、奥が深い (50代・男性)
- コーヒーを淹れる「水」にこだわっています。水道水を浄水機能のついたポットでろ過し、さらに、コーヒーメーカーも浄水フィルターのついたものを使っています。「おいしいコーヒーはおいしい水から」がモットーです (40代・男性)
- いろいろなコーヒー豆を自分でブレンドして、味の変化や発見を楽しんでいる (50代・男性)
- 時間帯や合わせる食品、気分で選べるように、数種類のコーヒーを用意しています。大量買いは避け、なるべく数日で使い切る量の豆を買い、その場で挽いてもらっています (50代・女性)
- 生豆を、淹れるたびに焙煎して飲むコーヒーが一番おいしい! (50代・男性)
- インスタントコーヒーは、ミルクや砂糖を入れたりして飲むが、挽いたコーヒーは、味と香りを楽しむためにブラックで飲む (50代・女性)
- いつも自分で豆を挽いて、時間をかけてコーヒーを淹れています。もしかすると、コーヒー自体ではなく、コーヒーを淹れる行為が好きなのかもしれません (50代・男性)
- フェアトレード製品を購入して、社会貢献のひとつと考えたり、オーガニックコーヒーを購入したりしている (50代・女性)
- コーヒーの苗木を買ってきて、栽培しています。まだ収穫はできていませんが,自分で育てたコーヒーを飲んでみたいと思っています (40代・男性)
- サイフォンで淹れたコーヒーが、濃さも調節できるし、見ていて落ち着くので、好きです (20代・女性)
- ペーパーフィルターの代わりに、ネル(布製のフィルター)を使っています。管理が大変だけど、味がまろやかになっておいしいです (40代・男性)
- いろいろなカップを用意していて、そのときの気分でカップを変えて飲んでいます。リラックスできて、とても気分が良くなります。たまには、日本茶の茶碗に茶托というときもあります (50代・女性)
- 喫茶店でコーヒーを飲むときは、ブラックで半分くらい飲んでから、ミルクを入れて飲むと、2通りの味が楽しめます (60代・男性)
- 通信販売で、いろいろな種類の詰め合わせのものを買っています。家族とあれこれ批評しながら飲むのが楽しいです (30代・女性)
- 仕事の日は、自分で淹れたコーヒーをマイポットに入れて持って行ったりもします。リラックスアイテムのひとつです (30代・女性)
- ブランデーを数滴入れると、大人の味と香りが楽しめます。一日の終わりに最適! (50代・女性)
- 一日に何回もコーヒーを飲みたいので、魔法びん機能のついているコーヒーメーカーを購入した。朝淹れると、午前中いっぱいは温かいコーヒーが飲めます (30代・女性)
- コーヒーのお供に、和菓子やカマンベールチーズを楽しんでます (50代・女性)
- ミルクを泡立てて入れてラテ風にし、シナモンパウダーをかけます。インスタントでも、手を加えるとおいしくなる (20代・女性)
- 豆を挽いて丁寧に淹れたものを、ゆっくり本などを読みながら飲む時間が大好きです。コーヒー1杯分の、至福のひとときなんです (30代・女性)
- テレビなどの“音”を全部消して、静かな中で新聞を読みながら飲むコーヒーが一番好きです (40代・女性)
- 旅行に行くときも、必ずパックになったドリップコーヒーを持参します (50代・女性)
- インスタントコーヒーを少し濃いめに淹れて、電子レンジで10秒加熱する。豆から淹れたコーヒーと間違うくらいマイルドになります (60代・女性)
- 友だちを招いてコーヒーを飲むときは、ランチョンマットを準備して雰囲気作りをしてから、楽しいひとときを過ごしています (40代・女性)
- ベランダや庭など、飲む場所を工夫しています (30代・女性)
- 甘いものに限らず、チーズやハムなどのオードブル系もよく合うと思います (40代・女性)
- 夏は、バニラアイス・濃いめのインスタントコーヒー・氷をミキサーにかけて、フラペチーノのようにして飲んだりしています。お友だちが来たときに出すと、大変喜ばれます☆ (30代・女性)
- カップをきちんとあたためて丁寧に入れたコーヒーは、とってもおいしくて幸せになります (30代・女性)
- コーヒーの苦みが苦手なのですが、たまに飲みたくなったときは、牛乳を入れてカフェオレにして飲みます。香りはとても好きで、リラックスできるのですが、どうも苦みはダメです (20代・女性)
- カフェインに弱く、夕方以降に飲むと、その夜は寝られなくなってしまう (30代・男性)
- コーヒーを飲むとトイレが近くなるので、外出中は困ることがある (40代・男性)
- 舌の両はじがすっぱくなるような酸味が嫌い (30代・女性)
- 歯に色素がつくので、あまり飲まない (40代・女性)
- コーヒーを飲むと酔ってしまうので、車を運転するときや、仕事中は飲みません (40代・男性)
- 20年くらい前の話、たまたま先輩の手伝いで業務用大型焙煎器の修理に一日付き合ったが、なかなか直らず、イライラしながらコーヒーのにおいをかいでいたので苦手になりました (40代・男性)
- コーヒーを飲むとおなかの調子が悪くなるので、まったく飲めません 40代・男性)
- いつまでも口や胃の中にコーヒーのにおいが残る感じがするので、好んでは飲みません (50代・男性)
- 新婚当時に買ったアンティークなコーヒーミルを、今でも使っています。手で回すとゴリゴリと伝わってくる感触に、昔、妻と一緒に探し回り、渋谷の店でこのミルを手にしたときの喜びを思い出します。2人分の豆を挽くだけでも結構疲れますが、その疲れが、コーヒーにひと味加わるような気がします (50代・男性)
- コーヒーをこぼしてシミになってしまったベージュのズボンを、コーヒーで全部染めました。なかなか良い色のズボンになりました (30代・女性)
- イタリアで出てくるエスプレッソはあまりに濃いので、一度、イタリア人の女性にあれは濃すぎるのではないかと聞いたら、「エスプレッソは“飲む”んじゃなくて、“食べる”感覚なのよ」と言われて、納得したことがあります (30代・男性)
- ドリップ式を知ったばかりのころ、一度淹れた粉(豆を挽いた粉)で2杯か3杯飲んでました…。お茶みたいな飲み方ができると思い込んでました (30代・女性)
- 昔読んだ本に自分のこぼしたコーヒーのシミを見ると、読書当時のことが思い出されて、ちょっとした日記の代わりです (30代・男性)
- 保育園の担任に「コーヒーを飲むと背が伸びない」と言われ、飲まなかったのに背が低い。逆に、子どものころからコーヒー好きな妹は、私より12cmも背が高い (30代・女性)
- プロポーズの言葉が「毎日うまいコーヒーを淹れてあげる」だったのですが、結婚してからは、なぜか毎日自分で淹れてます。息子も、「大きくなったら僕がおいしいコーヒーを淹れてあげる」と言っていますが、忘れちゃうんだろうなぁ…。主人の息子だモンなぁ… (30代・女性)
- 『大どろぼうホッツェンプロッツ』という童話に出てきたオルゴール付きのコーヒーミルにあこがれて、オルゴールは付いていないけれど手回しのコーヒーミルを愛用していました (40代・女性)
- インスタントコーヒーを豆と間違えてドリップしてしまい、豆が溶けてなくなったと勘違いして、会社の同僚に笑われた (50代・男性)
- 何も手伝わない主人が、コーヒーだけは自分で淹れる。ケンカしていても、「コーヒー淹れない?」で仲良くなれる (60代・女性)
- 高校時代に、目がさえてよく勉強できるからということを友だちから聞き、期末テストの前夜に珍しくコーヒーを飲んでみたのですが、逆に目がさえすぎて一睡もできず、今度はテスト時間中に寝てしまって、大事なテストが台無しになってしまったというイヤな思い出があります (30代・男性)
- 入社当時に、砂糖・ミルク入りのコーヒーを会社のデスクでぶちまけてしまい、ノートパソコンはおしゃかになるわ、デスクの中は甘ったるいにおいが充満するわで、とんでもないことになった経験から、コーヒーはブラックで楽しむようにしています (30代・男性)
- クレームなどで来られたお客さまに、温かい淹れたてのコーヒーを出して差し上げると、すぐに笑い声が出るようになり、人の心を落ち着かせる作用があります。うちの部署では、お客さまのために、コーヒーは絶対切らさないようにしています (30代・男性)
- 手術する前日に、コーヒーは飲まないようにと言われても我慢できずに隠れて飲んでしまったら、麻酔が効かずに叱られてしまいました (50代・女性)
- 以前飼っていた猫はブラックコーヒーが大好きで、コーヒーを淹れるとそのにおいで、別の部屋にいても走ってきました。アツアツでもなめていて、猫も猫舌じゃない子もいるんだと感心しました (30代・女性)

一杯のコーヒーの中にも、多種多様な世界が広がっていることが感じられたのではないでしょうか。
あちこちのお店からコーヒー豆を手に入れて、じっくりと味や香りを比べていくうちに、いつの間にかコーヒーのおいしさが細やかに感じ取れるようになります。季節やシーンに合わせた、お気に入りの一杯を淹れるためのレシピを探っていくのも、楽しいものです。イライラしながら淹れたときは雑な味になったり、心に余裕があるときは深い味わいになったりと、精神状態によっても味が変わるので、コーヒーを心のバロメーターとして注目してみるのも面白いと思います。
私も、自宅で豆から挽いてドリップしたコーヒーを楽しむ時間を持つようになってから、慌ただしい日々にゆとりが生まれました。気分がさえないときでも、コーヒーを飲んでリセットする習慣が身に付いたことで、心のコンディションを整えるのもうまくできるようになりました。それは、ゆっくりと丁寧にコーヒーを淹れる作業の中で、注意深く香りをかぎとったり、目で粉の変化を確かめたり、味の特徴や余韻を確認したりすることで、五感が研ぎすまされ、自分とより深く対話するための良い助走になるからではないでしょうか。
心を込めて一杯のコーヒーを淹れることは、さほどお金をかけなくともできるぜいたくな時間の使い方のひとつだと思います。そんな時間を、例えば週に一度でも持つことで、きっと日々の生活はさらに輝きを増していくことでしょう。
次回の「大人の食学」では、〜ティータイムのある暮らし〜第2弾、紅茶について特集します。お楽しみに!
あちこちのお店からコーヒー豆を手に入れて、じっくりと味や香りを比べていくうちに、いつの間にかコーヒーのおいしさが細やかに感じ取れるようになります。季節やシーンに合わせた、お気に入りの一杯を淹れるためのレシピを探っていくのも、楽しいものです。イライラしながら淹れたときは雑な味になったり、心に余裕があるときは深い味わいになったりと、精神状態によっても味が変わるので、コーヒーを心のバロメーターとして注目してみるのも面白いと思います。
私も、自宅で豆から挽いてドリップしたコーヒーを楽しむ時間を持つようになってから、慌ただしい日々にゆとりが生まれました。気分がさえないときでも、コーヒーを飲んでリセットする習慣が身に付いたことで、心のコンディションを整えるのもうまくできるようになりました。それは、ゆっくりと丁寧にコーヒーを淹れる作業の中で、注意深く香りをかぎとったり、目で粉の変化を確かめたり、味の特徴や余韻を確認したりすることで、五感が研ぎすまされ、自分とより深く対話するための良い助走になるからではないでしょうか。
心を込めて一杯のコーヒーを淹れることは、さほどお金をかけなくともできるぜいたくな時間の使い方のひとつだと思います。そんな時間を、例えば週に一度でも持つことで、きっと日々の生活はさらに輝きを増していくことでしょう。
次回の「大人の食学」では、〜ティータイムのある暮らし〜第2弾、紅茶について特集します。お楽しみに!
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