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牛原 琴愛さんプロフィール
ジュニア・パンアドバイザー、ベジタブル&フルーツマイスター(野菜ソムリエ)の資格を持ち、セミナー講師や企業へのレシピ提案など多方面で活躍中。
友人と共催している、料理教室とコーチングのコラボレーション「Cooking & Coaching 〜 心も体も健康に」では、毎回オリジナルの手作りパンを振る舞う。
ふだんは、いつも腹ペコなフォトグラファーの夫とおっとり猫のご飯を担当。
著書に『食べ物で知る 英語表現百科』(三修社)。
公式サイト:Oixi blog 「Kotoe’s Kitchen」
世界のパンが食べられるようになった背景とは?
リーンなパンとリッチなパン
卵やバター、砂糖などの副原料が加えられているパンは「リッチなパン」です。定番人気のあんパンやメロンパンなどの菓子パン、カレーパンやカツ・コロッケ・やきそばなどを挟んだ調理パン(総菜パン)に使われるパンのほとんどは「リッチなパン」です。
一方、小麦粉・イースト・水と塩を原料に作る極めてシンプルなパンは「リーンなパン」です。ヨーロッパで主食とされてきたのは、ほとんどが「リーンなパン」。最近、食にこだわる方や自然派志向の方たちの間で人気のパンも、どちらかというと「リーンなパン」のほうですね。
日本でも身近になってきた世界のパン
フランス

パン・ド・カンパーニュ
フランス語で「田舎風パン」を意味するカンパーニュ。バゲット登場以前にフランスでよく食べられていたのは、このパンだそうです。フランスのもっともリーンなパンのひとつ。どっしりとしていて、日持ちのするパンです。

ブリオッシュ
バター・卵・砂糖を練り込んだ生地で作る、もっともリッチなパンの代表格。ブリオッシュをフランスに持ち込んだのは、オーストリアのハプスブルク家からルイ16世のもとに嫁いだマリー・アントワネットだと言われており、かつてはお菓子として食べられていたのだそうです。彼女は、飢えに苦しむ民衆に「パンがなければお菓子(またはケーキ)を食べればいい」と言ったという有名な話がありますが、原文では「お菓子」ではなく「ブリオッシュ」となっているのだとか。
ドイツ

ミッシュブロート
寒冷な気候から、かつてはあまり小麦がとれなかったドイツでは、パンの原料にライ麦が使われてきました。ライ麦パンは色が黒く、酸味のある味わいが特徴です。食物繊維やビタミン類が豊富なリーンなパンで、健康志向の高まりから注目を集めています。ミッシュブロートのミッシュは「混ぜる」という意味で、ライ麦と小麦粉をミックスした生地が使われています。ライ麦の比率が比較的低いので、ライ麦パンの酸味が苦手な人にも食べやすいパンです。

ブレッツェル
ドイツのパン屋さんで、よく軒先にぶら下げられているのがこのブレッツェル。店によって硬いものもあれば、やわらかいものもあります。岩塩がまぶしてあったりして、おやつとしても、ビールのおつまみとしてもよく合います。
イギリス

イングリッシュマフィン
8割方焼いた状態でお店に並んでいるので、食べるときに2枚に裂いてオーブンやトースターで焼くことで、本来のおいしさが完成するリッチなパンです。焼きを加えたときに香ばしさをアップするために、表面にはコーンミール(トウモロコシ粉)がまぶしてあります。
イタリア

フォカッチャ
生地にオリーブオイルが練り込んであるパン。もともとはリーンなパンの部類に入りますが、生地に砂糖を加えたり、ハーブを練り込んだりなど、リッチなパンとしても人気です。イタリアのパンは、主食として食べるというよりも、前菜などの料理と付け合わせて食べるケースのほうが多いようです。

グリッシーニ
細長い棒のようなパンで、よく前菜やパスタ料理などに添えられています。ポリポリ食べられるので、お菓子のように思われているかもしれませんが、グリッシーニは、れっきとしたイタリアのパンです。
アメリカ

ベーグル
ユダヤ系移民たちの手によってアメリカにもたらされ、定着したと考えられています。中でもニューヨーク・ベーグルは、麦芽と塩を加えた生地を一度ゆでてから焼き上げるのが特徴。さまざまな食材を挟んでサンドイッチにする食べ方が人気です。

サワーブレッド(サワードウ・ブレッド)
サンフランシスコ名物のパン。発酵過程で乳酸菌を加えて作るため、独特の強い酸味があるリーンなパンです。米西海岸がゴールドラッシュで沸いていたころに、よく食べられていたとか。
パンを取り入れた塩分控えめな食事とは?
よく「パンは腹持ちしない」と言われますが、ご飯は「粒(つぶ)」、パンは「粉」なので、粉で作られているパンのほうが消化されやすいのは当然のことなのです。だからこそ、早く消化してほしい遅い夕食や夜食などにも、パンは向いているんですよ。
「リーンなパン」の筆頭に挙げられる、ライ麦比率の高いドイツのパンは、ライ麦独特の酸味があるため、好き嫌いが分かれるかもしれません。でも、濃厚なチーズやピクルスなどと合わせると、とてもおいしく食べられます。特にライ麦を原料に繁殖させた青カビで作るブルーチーズ(フランス・オーヴェルニュ地方のブルーチーズなど)と合わせて食べると、チーズの酸味によって、ライ麦パン本来の甘みが引き立ってくるのです。これはぜひお試しいただきたいですね。
カルシウムたっぷり、食物繊維たっぷりのパンメニュー
クルミパン、ミルクブレッドとホウレンソウたっぷりクラムチャウダー
「ミルクブレッド」は、牛乳をたっぷり使った甘みのあるやわらかいパン。牛乳には、タンパク質や乳糖の働きによって、他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高いという特徴があります。
今回、これらのパンに合わせたのが「ホウレンソウたっぷりクラムチャウダー」「ルッコラとジャコとカッテージチーズのサラダ」「リンゴ+ヨーグルト+きな粉のデザート」です。ホウレンソウ、ハマグリ(アサリやカキの代わりに今回はハマグリを使用)、ルッコラ、ジャコ、ヨーグルトと、どれもカルシウムが豊富な食材ばかり。このメニューにロイヤルミルクティーなどを添えれば、さらにカルシウムを摂ることができます。
ハマグリ … 200g
ニンニク … 1片
鷹の爪 … 1/2本
タマネギ … 1/2個
シメジ … 1/2パック
ホウレンソウ … 1/2わ
オリーブオイル … 適量
白ワイン … 1/2カップ
水 … 1カップ
牛乳 … 1カップ
コンソメストック … 1個
塩、コショウ … 各少々
- ハマグリは砂抜きし、ニンニクはみじん切り、鷹の爪は種を取り除いて輪切り、タマネギは繊維に沿って薄めにスライス、ホウレンソウはサッと下ゆでして水気をしぼり、5cm 幅に切り分けて、シメジは根元を切ってほぐしておきます。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、ニンニク、鷹の爪、ハマグリ、白ワインを入れて蓋をします。ハマグリの口が開いたら、いったん取り出します。
- 2の鍋にオリーブオイルを少し加えて、タマネギを炒め、しんなりしたらシメジを加えてサッと炒め、水、牛乳、コンソメストックを入れて5分ほど煮て、ハマグリを汁ごと戻し入れ、ホウレンソウを加えて1〜2分煮ます。塩、コショウで味を調えたら出来上がり。
ホウレンソウ、ハマグリ、牛乳が入ったスープなので、鉄分とカルシウムがたっぷり。ハマグリは、血圧やコレステロール降下、肝機能促進効果のある「タウリン」を多く含んでいるので、生活習慣病予防にも効果が期待できます。
ハマグリのだしを利かせてさっぱり仕上げた牛乳ベースのスープと、今回選んだクルミパン、ミルクブレッドは、お互いにやさしい味わいで、朝いただいてもしつこくありません。鷹の爪でスープにピリッと辛みを加えており、コクと甘みがあるパンと合わせるとメリハリがあって、食欲のない朝でも食が進みます。
ドイツの本格ライ麦パンとレンズ豆のスープ
このパンに合わせたいのが、「レンズ豆のスープ」「キノコのマリネ」「カッテージチーズ+はちみつのディップ」「イチジク」です。
「プンパニッケル」は日本ではあまり食べつけないタイプのパンですが、低カロリーなカッテージチーズとはちみつを合わせたディップをのせていただくと、とても食べやすくなります。レンズ豆とキノコにも食物繊維が豊富に含まれています。
レンズ豆 … 大さじ4
ベーコン … 2枚
ニンニク … 1片
タマネギ … 1/2個
ニンジン … 1本
キャベツ … 2枚
EXオリーブオイル … 適量
水 … 2カップ
コンソメストック … 1個
ローリエ … 1枚
塩、コショウ … 各少々
- レンズ豆は、使う30分前にたっぷりの水につけておきます。ベーコンは1cm幅の細切り、ニンニクはみじん切り、タマネギは繊維に沿って薄めにスライス、ニンジンは小さめの乱切り、キャベツは食べやすい大きさにザックリ切っておきます。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、ベーコンを炒めます。ベーコンの油をサッとふき取り、野菜を加えて炒めて、全体に油をまわします。
- 水、コンソメストック、ローリエ、レンズ豆を加えて10 分ほど煮てから、塩、コショウで味を調えたら出来上がり。
野菜の甘みとレンズ豆の食感がおいしいコンソメベースの「レンズ豆のスープ」は、今回選んだ酸味のある「プンパニッケル」とよく合うスープです。プンパニッケルの大きめに挽いたライ麦の歯ごたえと、レンズ豆の食感が楽しく、噛むほどにおいしい組み合わせです。野菜と豆から、食物繊維もたっぷり摂取できますし、体も温まります。
「レンズ豆」は、タンパク質、βカロテン、ビタミンB群を豊富に含み、また、豆類特有の「レシチン」も豊富です。レシチンは、免疫を高めて有害な微生物が増殖するのを防ぐ働きが期待できます。
一晩水に浸したり、下ゆでしたりする手間がいらない「レンズ豆」は、手軽に使えてスープに合わせやすい豆です。粗挽きウインナーやパスタを合わせると、ボリュームのある一品になります。また、このレシピは使う野菜を特定しませんので冷蔵庫の残り野菜を整理する際に活躍します。
和の食材・味付けでパンと合わせる
例えば、ごぼうをささがきにして甘辛く煮て、冷ましたところにマヨネーズを少し加えます。これを「リーンなパン」にのせて召し上がってみてください。また、ポテトサラダのポテトを山いも(長いも)に代えてみると、和風テイストのポテトサラダになります。これもパンによく合いますよ。
ライ麦パンにはピクルスもよく合いますが、ワインビネガーで作る代わりに、米酢、昆布茶、はちみつを合わせて漬けてみると和風味のピクルスになります。意外にも、ライ麦パンにぴったりなんです。
手作りディップをパンに塗って食べるのもオススメです。すり下ろしたレンコンに大葉、みそ、マヨネーズを混ぜたディップは、カリカリに焼いたバゲットなどに塗ってもおいしいですし、ちょっとしたパーティー用としても気の利いた一品になります。
タマネギの代わりに、らっきょう、ゆずコショウ、マヨネーズで味付けした和風タルタルもパンとよく合う和風メニューです。
食べきれなかったパンはその日のうちに冷凍保存
硬くなってしまったパンもひと手間加えて活用
硬くなった食パンの場合は、ラスクやフレンチトーストにしてみてはいかがでしょうか。フレンチトーストを作る際に、よく牛乳・卵・砂糖を混ぜた中にパンを漬け込む方がいらっしゃいますが、最初から甘みを加えるのではなく、甘みはあとから加えてみてはいかがでしょうか。卵を溶いた牛乳にパンをサッとくぐらせてから、バターをひいたフライパンでこんがりと焼き色をつけます。お皿にとってから、はちみつやシロップなどで好みの甘みをプラスするようにすれば、大人から子どもまでおいしく召し上がれます。黒みつやきな粉で甘みをつければ、ちょっと和風のフレンチトーストにも。
クロワッサンなどは、プリンの生地に混ぜ込んで焼いてもおいしいですよ。チョコチップを加えたりすれば、デザートの一品にもなります。
パンについてより深い知識が得られる資格
ジュニア・パンアドバイザーの資格は、料理ソムリエ(ベジタブル&フルーツマイスター)の資格を認定している日本ベジタブル&フルーツマイスター協会と提携している、日本パンアドバイザー協会が認定しています。ジュニア・パンアドバイザーの講座では、パンの歴史や成分、栄養素、発酵のプロセスなども詳しく学ぶことができました。
毎日の暮らしの中でもっと気軽においしくパンを食べよう!
もともとパンは大好きだったので、日ごろからよく食べていたのですが、ジュニア・パンアドバイザーになって、もっと深くパンのことが知りたい、おいしいパンをもっと食べたい、という思いが強くなっています。街を歩いていて、パン屋さんのウィンドウに気になるパンを見つけると、すぐにお店に飛び込んだりします。試食やイートインが可能なパン屋さんも増えていますから、味見も楽しんでいます。
ご飯ももちろん大好きですが、気軽に食べられて、気に入ったら買って手軽に持ち帰れるのは、やっぱりパン。散歩の途中で見つけたおいしいそうなパンを1つだけ買って帰って食べてみる、というのも楽しいですよ。軽い気持ちで、いろいろなパンを味わってみてください。きっと美味な発見に出会えるはずです。
−本日はありがとうございました。
<日本パンアドバイザー協会について>
パンの歴史、素材、製法、選び方、おいしく健康的なパンメニューの提案方法などパンに関するあらゆる知識を座学で学びパンを作る人と食べる人の懸け橋となってパンのある暮らしの魅力を伝えられる人材が「パンアドバイザー」です。
「パンアドバイザー」の資格は、日本パンアドバイザー協会が認定しており、協会主催の講座を受講し、課題提出および修了試験に合格すれば資格認定が受けられます。(詳しくは同協会のWebサイトをご覧ください)
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