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2014年2月25日掲載

日本の宝、「和食」のおはなし

140225近年、日本の食文化が欧米化の傾向にあるといいますが、私たち日本人の奥底に根付いている食文化とは、ご飯やお味噌汁といった和食の献立ではないでしょうか。
TEPORE編集部でも、海外旅行から戻った途端、和食が恋しくなって梅干しのおにぎりを空港内のコンビニエンスストアで買って食べたというスタッフがいます。その気持ち、とても良くわかりますよね。

そこで今回のTEPOREトクトクコラムでは、日本の宝ともいえる、「和食」についてご紹介します。

2013年12月に「和食」がユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたという大きなニュースがありました。日本人として、とても嬉しいお知らせでしたよね。

ところで皆さんは、有形文化遺産と無形文化遺産の違いをご存知ですか?簡単にご説明しますと、有形文化遺産は建造物などといった形があるものが対象となります。例えば、1993年に登録された姫路城や、2013年に登録された富士山といった世界遺産は有形文化遺産となります。
対する無形文化遺産は、形にならないもので、人間が持つ知恵や習慣、文化などが対象となります。例えば、今回登録された「和食」の場合ですと、無形文化遺産登録の対象となったのは「おせち料理」という特定の食ではなく、「お正月におせち料理を食べるという日本の文化」ということになります。
私たち日本人にとって、ごく身近に感じられる日本の食文化ですが、世代を越えて受け継がれ、また海外からも高く評価されるには、それなりの理由があります。

栄養バランスに優れた健康的な食生活

「一汁三菜」を基本とする日本の食事スタイルは、和食の基本的な形とされており、平安時代末に登場したといわれています。理想的な栄養バランスがとれることに加え、「うま味」を上手に使うことによって、動物性油脂の少ない食生活が実現できるため、日本人の長寿や肥満の予防につながっています。これは世界から注目されている食生活でもあります。

正月などの年中行事との密接な関わり

日本の食文化は、正月やひな祭りなどの年中行事と密接に関わりを持ち、行事の際に家族や地域の方と「食」の時間をともにすることで、絆を深めることにも一役かっています。

自然の美しさや季節の移ろいの表現

自然の美しさや季節の移ろいを食事の場で表現することも日本の食文化の特徴の一つです。その時々の花や葉などで料理を飾り付けたり、季節に合った器を利用して季節感を楽しむのは、日本人ならではの志向です。

若者を中心に和食離れが進んでいるといわれていますが、日本人が長い間育んできたすばらしい食文化が、今の私たちの体を支えているといっても過言ではありません。ご飯とお味噌汁を食べるとホッとする、お正月におせち料理は欠かせない、様々な食器を買い足したくなる、…そんな気持ちになるのは、やはり私たちが日本人だからなのでしょう。

さて、和食といえばだし汁が基本の味付けの一つといわれており、だしの味次第で料理の善し悪しが決まる、ともいわれています。ここでは、一般的なだしをご紹介します。

昆布だし

上品で控えめなだしです。鍋料理・茶碗蒸し・和え物など具の香りや素材の味わいを大切にする料理に向いています。

・昆布のつけだしを取る
https://www.tepore.com/user/ja/cooking/56fda1dd-05b8-11e2-b984-ebae048d4509

一番だし

香りが高く、口当たりも上品なのでお吸い物やうどん、そばのだしなど、だしの味を生かした料理などに向いています。

・一番だしの取り方
https://www.tepore.com/user/ja/cooking/570cbd11-05b8-11e2-b984-ebae048d4509

二番だし

醤油・みりん・砂糖・味噌などの調味料で味付けをする料理のベースに使用します。特にお味噌汁など味の濃い汁物や、惣菜の煮物などに向いています。

  • ※薄すぎると感じた場合は、新たにかつお節を追加する「追いがつお」という方法で調整をしてください。

・二番だしの取り方
https://www.tepore.com/user/ja/cooking/571e9765-05b8-11e2-b984-ebae048d4509

TEPORE編集部の若手スタッフに聞いたところ、「かつお節といえば既に削られてパック詰めにされているものしか知らず、この前、削りたてのかつお節を食べた時には、香り豊かなかつお節の味に感動した」と言っていました。最近では手軽なパックなどを使っているご家庭が多いようですが、かつては、削り器で、削りたてのかつお節を使ってだしをとっていたというご家庭が多くありましたよね。

今回の日本の和食についての登録は、食に関しての無形文化遺産登録で、 フランス、地中海、メキシコ、トルコに次いで5件目の登録となりました。
日本の食文化が自然と身についている私たちにとっては、当たり前の食事かもしれませんが、外国の方々にとって日本の食文化は大変珍しく、興味深くうつるそうです。確かに、食に対する日本人のこだわりは格別ですし、季節を感じながら食事をするという形態は珍しいのかもしれません。
今回のユネスコ無形文化遺産の登録を機に、さらに世界の人々に日本の良さを 感じてもらえたら嬉しいですね。

トーコのつぶやき編集後記

和食は、だしや調味料にこだわるだけでも深みが変わりますよね。でも忙しい時は、一からだしをとっておかずを作るのは少々面倒だと感じてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、その面倒を「ほんの一手間」 と考えるといいそうです。まさに発想の転換ですね。
「温故知新(おんこちしん)」の気持ちをもちながら、和食のレシピを 増やしていけたらいいなと思っています。

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